(承前)
モエレ沼公園で、自然にインスパイアされた作品を発表するのは、意外に難しいと思う。
平面ならともかく、なまじの立体やインスタレーションでは、周囲の自然の大きさに、かんたんに負けてしまうからである。
大都市のホワイトキューブでは、自然をテーマにした作品は、遠いはるかな野や山に思いをいざなう効果があるが、モエレ沼公園の会場では
「いや、そんなのわざわざ造らなくても、窓の外を見たほうが美しくていいっしょ?」
ということになりかねない。
彼女の作品は、たんに、自然豊かな北海道で自然に材を得たものを提示しているのではないだろう。
いわば、北国の人たちに「南」を提示することで、両者の観念が響きあう空間を目指しているのではないだろうか。
「北」にいて「北」を思うのは、いわば当たり前で、「北」に来て「南」を見てしまうことのユニークさ、おもしろさを感じた。
1975年、東京生まれ。
現在は小豆島在住。
昨年の「MOTアニュアル」に出品している。
2015年7月25日(土)~8月30日(日)午前9時~午後5時
モエレ沼公園 ガラスのピラミッド(札幌市東区モエレ沼公園)
モエレ沼公園で、自然にインスパイアされた作品を発表するのは、意外に難しいと思う。
平面ならともかく、なまじの立体やインスタレーションでは、周囲の自然の大きさに、かんたんに負けてしまうからである。
大都市のホワイトキューブでは、自然をテーマにした作品は、遠いはるかな野や山に思いをいざなう効果があるが、モエレ沼公園の会場では
「いや、そんなのわざわざ造らなくても、窓の外を見たほうが美しくていいっしょ?」
ということになりかねない。
彼女の作品は、たんに、自然豊かな北海道で自然に材を得たものを提示しているのではないだろう。
いわば、北国の人たちに「南」を提示することで、両者の観念が響きあう空間を目指しているのではないだろうか。
「北」にいて「北」を思うのは、いわば当たり前で、「北」に来て「南」を見てしまうことのユニークさ、おもしろさを感じた。
1975年、東京生まれ。
現在は小豆島在住。
昨年の「MOTアニュアル」に出品している。
2015年7月25日(土)~8月30日(日)午前9時~午後5時
モエレ沼公園 ガラスのピラミッド(札幌市東区モエレ沼公園)