(承前。54はこちら)
幣舞橋の南側の斜面に大きな時計がありますが、その上はぬさまい公園(幣舞公園)になっており、そこにある彫刻は紹介済みです。
次のリンク先は、作者不詳の「花を持つ天使」など。
ほかに中野五一「松浦武四郎蝦夷地探検隊」と、中江紀洋「地殻交信機」については2008年に書いています。
なぜこの文学碑は黙殺していたのでしょうか。
おそらく「文学碑だから」という理由でしょうが、このカテゴリの記事で何度も言及している冊子『北海道の野外彫刻』や、サイト「北海道デジタル彫刻美術館」にも掲載はされていません。
自然の石に文字を刻んである記念碑なら、このブログでは取り上げません。
しかし、これはデザイン的な要素があります。つまり、天然の石ではない意匠のかたちによって作られています。
しかも作者は北海道を代表する彫刻家のひとり、中江紀洋さんです。
ここで取り上げない理由が見当たりません。
原田康子(1928~2009)は釧路出身の小説家を代表する存在。
東北海道新聞の記者をしながら地元の文学同人誌「北海文学」に書いた恋愛長篇小説『挽歌』が1956年に単行本化されて、大ベストセラーになり、映画化もされました。
北海道新聞などに連載した『海霧』は2003年の女流文学賞を受賞しています。
戦後の道内に住んで創作活動を続けた女性の小説家では、三浦綾子と原田康子は双璧といっていいでしょう。
原田康子の名を一躍世に知らしめた「挽歌」の一節が、刻まれています。
裏面には次のようにあります。
□の部分は解読できませんでした。
サインも下の方に見えます。
「Norihiro Nakae」と読めます。
過去の関連記事へのリンク
■コレクション展 ひとのかたち(2月19日~3月20日、釧路) 2022年2月26、27日釧路→川湯→網走(8)=画像なし
■旅とアート 巡る・還る(2021年2月6日~4月11日、釧路)=画像あり
【告知】交差する視点とかたち vol.5(2012年9月8~23日、札幌/11月30日~12月24日、釧路)
【告知】中江紀洋展 北斗の彼方へ (2011年2月5日~3月27日、釧路)
中江紀洋「未来」 釧路の野外彫刻(23)
「希望」? 釧路の野外彫刻(20)
中江紀洋「地殻交信機」 釧路の野外彫刻(13)
■北海道立体表現展'08
■北海道立体表現展’06
■北の彫刻展2006
=以上、画像なし
■中江紀洋展(2004年)
幣舞橋の南側の斜面に大きな時計がありますが、その上はぬさまい公園(幣舞公園)になっており、そこにある彫刻は紹介済みです。
次のリンク先は、作者不詳の「花を持つ天使」など。
ほかに中野五一「松浦武四郎蝦夷地探検隊」と、中江紀洋「地殻交信機」については2008年に書いています。
なぜこの文学碑は黙殺していたのでしょうか。
おそらく「文学碑だから」という理由でしょうが、このカテゴリの記事で何度も言及している冊子『北海道の野外彫刻』や、サイト「北海道デジタル彫刻美術館」にも掲載はされていません。
自然の石に文字を刻んである記念碑なら、このブログでは取り上げません。
しかし、これはデザイン的な要素があります。つまり、天然の石ではない意匠のかたちによって作られています。
しかも作者は北海道を代表する彫刻家のひとり、中江紀洋さんです。
ここで取り上げない理由が見当たりません。
原田康子(1928~2009)は釧路出身の小説家を代表する存在。
東北海道新聞の記者をしながら地元の文学同人誌「北海文学」に書いた恋愛長篇小説『挽歌』が1956年に単行本化されて、大ベストセラーになり、映画化もされました。
北海道新聞などに連載した『海霧』は2003年の女流文学賞を受賞しています。
戦後の道内に住んで創作活動を続けた女性の小説家では、三浦綾子と原田康子は双璧といっていいでしょう。
原田康子の名を一躍世に知らしめた「挽歌」の一節が、刻まれています。
高台から見降すと
下町には明りがともっていた。
しかし町の明りの果ては、
広い真暗な湿原地に呑みこまれているのだった。
裏面には次のようにあります。
原田康子作『挽歌』は、昭和三十一年(一
九五六年)釧路の同人誌「北海文学」に発表、
のち東都書房から出版されて空前のベストセ
ラーになった。更に映画化されたことなどに
よって、全国に大きな反響を呼んだ。
『挽歌』が、釧路の社会文化の発展に与えた
□□の大きさは、計り知れないものがある。
□□の功績を讃え、同志相計り、多くの市民
の協力を得てここに文学碑を建立した。
一九九八年九月一六日
原田康子『挽歌』の碑建立期成会
□の部分は解読できませんでした。
サインも下の方に見えます。
「Norihiro Nakae」と読めます。
過去の関連記事へのリンク
■コレクション展 ひとのかたち(2月19日~3月20日、釧路) 2022年2月26、27日釧路→川湯→網走(8)=画像なし
■旅とアート 巡る・還る(2021年2月6日~4月11日、釧路)=画像あり
【告知】交差する視点とかたち vol.5(2012年9月8~23日、札幌/11月30日~12月24日、釧路)
【告知】中江紀洋展 北斗の彼方へ (2011年2月5日~3月27日、釧路)
中江紀洋「未来」 釧路の野外彫刻(23)
「希望」? 釧路の野外彫刻(20)
中江紀洋「地殻交信機」 釧路の野外彫刻(13)
■北海道立体表現展'08
■北海道立体表現展’06
■北の彫刻展2006
=以上、画像なし
■中江紀洋展(2004年)
(この項続く)