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■真鍋敏忠水彩画展ー光と風の中で (2018年12月4~29日、札幌)

2018年12月29日 13時18分09秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
 札幌を拠点に、全道各地にRV(レジャー用多目的車)を走らせて風景を水彩スケッチする真鍋敏忠さん。
 こういう「現場主義」を貫く人も、気がつけば、少数派になってしまいました。

 真鍋さんは英語の先生でしたが、数学を教えていたこともあった上、合唱部の顧問をしていた時期も長く、マルチな人とはこういう人のことをいうのだな~と思います。
 画風は、理系らしくというわけでもないのでしょうが、几帳面で、見たとおりにペンで線をひき、水彩で着色します。
「だって、青い池の写真を見ても、どの木が前にはえていてどの木が後ろかなんて、分からない。現地で実際を見るのが一番ですよ」
と真鍋さんは話します。たとえば、カナディアンワールドの家の絵だと、手前にある木から描くとのこと。律儀な性格がにじみ出ています。

 しかし、終戦のとき国民学校(小学校)2年生だったといいますから、車での遠出にはくれぐれも気をつけてほしいと思います。真鍋さんは早朝の風景をスケッチするためには夜中に出発して車中泊も辞さない人なので、ちょっと心配です。
 個人的には、道内各地の美しい風景画を描いた故・北浦晃さんが自家用車を使わず公共交通機関とタクシーだけで移動していたことに続いてほしいのですが…。


 前期と後期で作品を入れ替えると聞いていましたが、なんと、通しで展示していたのは2、3点だけで、あとはすっかり全点を架け替えたと知ってびっくりです。
 先述の芦別・カナディアンワールドや美瑛・青い池のほか、日本海側の海岸風景、小樽運河、知床・硫黄山、富良野、清里の「神の子池」など、全道にわたっています。

 冒頭画像は、数少ない地元の風景。
 家の近くの旧軽川から手稲山山頂を望んだものです。
 「ほら、車で遠出しなくても、近くにも絵になる風景があるじゃないですか」
と言おうとしたら、真鍋さんに
「この橋も架け替えられて、なくなっちゃったんですよ。味のある欄干だったんですが」
と言われてしまい、ことばをのみ込みました(苦笑)。



 真鍋さんがかつて描いた、ドラマ「北の国から」の舞台の絵はがきセットや、教育誌の挿絵を絵はがきにしたものなども置いてあります。
 この挿絵について「案外これが勉強になった」と真鍋さんは振り返っていました。


(展示全作品リストをいただいたのですが、余裕のあるときにアップします。ご海容のほどを)


2018年12月4日~29日(土)午前11時~午後6時、日月曜・祝日休み
ギャラリー北のモンパルナス(札幌市西区二十四軒4の3)

□真鍋敏忠アートギャラリー www.toshitada.com/

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