この話は大正年期に取材され残っている。末尾に私の祖父に名前があった。
取材されしゃべったのだろう。
よくできた嫁が、大晦日の火種で元日の火をたくという、この家のならわしをまかされる。
ところが、寝ずにばんをしていたが、つい寝入って火を消しまうというお話だ。
そこへ白装束の棺おけをせおった男が現われ、火をもらうことができた。男は「すぐもどるから」といって
棺おけを置いて行った。夜明けが近くなり家の衆が起きてくる。棺桶を見られたらどうしょう。
姑が起きて棺桶を、見つけ大声で叫んだ。「なんだ、これはーーーー」
その時、棺桶は大きな音をだし割れた。
そこにはたくさんの黄金があふれていた。
よくできた嫁の御褒美というお話か。