独裁者の末期というものはいつも見苦しいものだが、FIFAのブラッターの場合も例外ではない。80歳にもなろうという人物が未だに出処進退を決せないというのはいかにも哀れだ。その責任回避の姿勢は喜劇的ですらある。米国リンチ司法長官が、これは始まりに過ぎない、といったのは、ブラッター会長の起訴を視野に入れているからに他ならない。再選された後での起訴ではFIFAは立ち直ることはできないだろう。FIFAに代わる組織が出てくるしかない。サッカー発祥の地英国は既にキャメロン首相がブラッターの退陣を要求したのみならず、サッカー協会はこのままではワールドカップからの離脱も検討しているようだ。
それにしてもプーチンが今回のFIFA醜聞を米国の陰謀と子供じみたことを言ったのには驚いた。米国の金融システムを利用し、米国内で決済が行われた贈収賄や資金洗浄、横領に米国の司法権が及ぶのは当然だ。プーチンは金融に関しての無知を満天の下にさらしたということで、政治家としてこの件の最初の敗者になった。