しばらく洗車をしていなかったので、それに今年に入ってからほとんど車庫の中で鎮座していて埃も被ったようなので(外出自粛でちょっとした遠出も気が引ける昨今)、家のすぐ近くのガソリンスタンドに併設されている洗車場へ行ってみた。いつもは顔なじみのスタンドの若いスタッフにまかせているのだが、今日は連休の中日のせいもあっていそがしそうにしていたので、自分でやってみる事にした。
まず洗車コースを選んだあと、ドライブスルーという、乗ったままで小型の門のような機械が行き来しながら大きなブラシで車を洗う場所へ恐る恐る進んでみた。窓やサンルーフが完全に閉まっていることを確認してから、ミラーをたたんでエンジンを止めて待っているとその門のような機械が動き出す。滝のような水をかけられた後、まるで昆布で出来た大きくて細長い短冊のようなブラシが前から迫ってくる。横からは別のブラシが窓一面を覆うように。
車の中にいるとまるで海中にでも落とされたようで、短時間ではあるものの、車内が真っ暗になる。多分007映画ならそこには恐ろしい!仕掛けがいくつかあって、敏腕スパイ、ジェームズ・ボンドが悪のシンジケートに襲われる、というような場面になっても不思議はない。もちろん、ボンドのことだから最後には必ず無事脱出できるのだが。その、門のような機械は水洗い、ワックスがけ、乾燥と何度も往復してそのたびに前後左右視界が無く閉じ込められたような気分になる(少し大袈裟か?)。多分5分間にも満たない短時間なのだろうがそれでも終了の赤い表示が出るとほっと。
歳のせいなのか、最近は自分は高所恐怖症だけでなく閉所恐怖症にもなったようだ。若い頃は高い所からは何が見えるのだろうか、あるいはこのトンネルの向こうに何があるのだろうかと言う好奇心で高い所に上ったり狭いところにも割と平気でもぐりこんだものだが、いつの間にか高い塔の天辺からの眺望やトンネルの先にあるものへの期待よりも、そこから転落するのではないか、あるいはそこに閉じ込められてしまい出てくることが出来なくなるのではないかと言う恐怖心というか弱気の虫が頭をもたげてくるようになった。おそらく今では余程のことが無い限り細長い、狭い所にもぐりこむ気にはなれないだろうと思う。たかが洗車場でそんなことを想像するくらいだから、いかに気が弱くなってきたかが判る。
洗車場とも閉所恐怖症とも関係ないが、昨日に引き続いてハンガリーのお土産の一つ、手前に漁夫の砦とマーチャーシュ聖堂、後ろ(上)のほうにブダの王宮を彫り込んだ石膏製の壁飾り。ハンガリーは他の東欧諸国が主としてスラブ語系の民族なのに対してマジャル人であり、また、その言葉はフィンランド語や日本語にも似ていると言われどこか親近感を感じさせるところがある(”散文の最も深く最も真実の音色は 哀切に歌うヴァイオリンではなく, チェロの響きである”と)。
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