エジプトのモルシ大統領が軍事クーデターで逮捕され、その後同大統領を支持するイスラム同胞団の弾圧があったエジプトのマラウイで、混乱の最中に略奪のあった考古学博物館から姿を消した石灰岩で作られたツタンカーメン王の妹の像がいまだ行方不明になっている。今年8月のマラウイでの衝突の際にはこの博物館が略奪にあい1000にも上る収蔵物が持ち出され、そのうち600程度は回収されたというが、考古学的にも最も貴重な像とされる紀元前14世紀に彫られたこの像はいまだに回収されていない。
骨董の闇市では予想もできないほどの値段がつくとされるこの像、既にエジプトから流出している可能性が高い。骨董品の窃盗団は今回のような内乱による混乱状態を見越して博物館での略奪を計画的に実行しているものと思われる。彼らにとっては、モルシかムバラクかには全く関心はない。騒乱に乗じて骨董品が手に入ればそれで良いし、もちろん、国境警備責任者には然るべく賄賂によって籠絡してあるから、国外への持ち出しには何等の障害もない。
このように人類の宝物が闇市場の中に消え去り、二度と一般人の目に触れることになるのは残念だ。
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