家族を愛してやまぬ平凡な「おじいちゃん」が味わう日々の幸せライフを綴ってみました。
わが家族でもあった
愛犬タロの家族の慰霊シンボル。
仲のいい親子夫婦だったモモとトト。
あの愛くるしいお目目が
思い出されます。
タロの慰霊モニュメントのお隣です。
みんな15年以上、
私たち家族を癒し続けてくれました。
最後を看取ってやりました。
モモには菊桃を、
トトには
夏は来ぬにうたわれた卯の花(ウツギ)を、
植えてやりました。
花を通して、
あの子らを、
思い出しています。
固定電話が鳴っています。
あまり出たくありません。
大概迷惑電話だからです。
しつこく鳴り続いています。
時計を見ると4時半、
夕方です。
(これなら……)と、
受話器を取りました。
「ああ、○○くんか?」
聞きなれた声。ほっとしました。
恩師です。
学校じゃなく、
演劇を好きにさせていただいた先生です。
もう85歳。
「なんで電話したか分かるかい?」
先生がこの言葉を口にされるときは、
もう用向きは決まっています。
やはりそうでした。
○○新聞の夕刊に、
私の投稿エッセーが掲載されていたのを、
目にされたからでした。
昔も今も変わらず、
いつも気にかけてくださいます。
その知らせを受けながら、
先生の近況を聞くと、
驚きました。
この5月にデンマークへ、
単身旅行をされたのです。
予定はお聞きしていましたが、
まさか本当にひとりでとは!
教え子が年とともに
出不精になるのに比べて、
矍鑠たる先生の行動力には脱帽です。
これからもなお
お元気でおられるように願いながら、
受話器を置きました。
今回の漫画は、
「あしたのジョー」という名作を生み出された
ちばてつや氏の初期の作品です。
もうひとつお得意な分野である少女漫画です。
あたたかな線で描かれた
人間味あふれた作風は、
他に類を見ないものがありました。
のちに「キャプテン」を書かれた
ちばあきおさんは、
弟さんです。
ご兄弟の作品に感激し、
心をどれほど癒されたか知れません。