子供のころ、
流れ星が怖かった。
「誰かが亡くなると、
魂は星になって流れるんだぞ」
そう教えてくれたのは、
子ども会の最上級生だった。
しかめっ面で、
おどろおどろしく買ったのは、
怖がらせる目的だったと思う。
「流れ星に願いをすると叶うよ」
そう教えてくれたのは、
担任の優しい美人の先生。
人の死とつなげて
怖がっていた流れ星が、
希望をもって
感じられるようになった。
当時の夜は
墨を流したような真っ暗闇。
光る月や星が
とても鮮やかに浮き上がった。
子供心が、
そこにより神秘的なものを
感じたのも当然だった。
公民館のそろばん教室の帰り道、
臆病な私を励まし導いてくれたのは、
満点の星空。
冷たい感じの月光と違い、
きらきらと
賑やかに
夜空に夢を描く星のほうが
心を打った。
最近、
見上げる夜空がやけにおとなしい。
夜のとばりが半減した
社会の影響だろう。
最初少年マガジンで掲載されていたのが、
少年サンデー連載に変更されたのを、
いまだに覚えている。
手塚治虫と編集者の間に、
何があったんだろうと、
別の興味を持ってしまった。
でもスケールの大きい少年漫画だった。