難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

難聴者が会議に参加するために

2005年06月17日 20時29分29秒 | 福祉サービス

050617_1600~001.jpg050617_1544~001.jpg今日は午後から、情報通信のアクセスに関わる委員会に出た。
通信事業者や機器メーカー、それらの業界団体、各種の障害者団体が加わっている。
会議は、パソコン要約筆記が付いているので、発言が表示されるまでワンテンポあるが普通に参加できる。
資料とパソコンの画面を見るのに忙しいが、資料を見ていても数行分は画面で見られる。
パソコン要約筆記は、話された言葉をパソコンのキーボードから入力するが全てを文字化はしないし、できない。入力するパソコンは普通の市販のもので、ボランティアの方によって開発された専用ソフトを用いる。
最近は、聴覚障害者の参加する国や行政、関係機関の会議や学会などには用意されることが多くなっている。今後、手話通訳と同じように増えていくと思う。しかし、こうした会議のパソコン要約筆記が出来る人は多くはない。
資格みたいなものはないが、厚生労働省が養成のための標準的なカリキュラムを策定している。今後、自立支援法制定もあり、一定の技術、知識を持った人を認定することも必要になってくる。

ラビット 記




テレビは全ての障害者のために

2005年06月17日 08時28分09秒 | 福祉サービス

050519_2228~001.jpgテレビを見ていて、あっ字幕放送やっていないかとリモコンの字幕スイッチを押すと、数秒後画面に字幕が映る。
前は新聞の字幕放送のある番組を選んで見ていたが、今はそんなことはしないで、見たい番組にチャンネルを合わせて、字幕放送をやっていなければ違うのを見るというだけだ。
考えてみると20数年も前、1980年代の始めに聴覚障害者教育会議に参加するのために渡米し、ろう者と手話通訳者の家庭に泊めて頂いた時、どのチャンネルを見ても字幕が見られることにとても安心感を覚えたことを思い出した。自分は聞こえなくても社会から取り残されていないという安心感をある。
ちょうど今が当時のアメリカと同じでないか。その頃のアメリカの字幕放送は週300時間程度だった。確か全体の70%位だ。驚くことは年間2千万台のテレビを販売するアメリカで字幕放送を見られるデコーダーはたった5万台しかなかったことだ。つまり見る人が少なかろうと視聴者の権利を守るために、国や放送事業者は莫大な経費をかけて字幕を制作していた。
我が国は、1997年に郵政省(現総務省)が字幕放送普及行政の指針を策定し、2007年までに字幕付与可能な全ての放送番組に100%字幕放送を実施するという目標を打ち出している。字幕付与可能なというのは、当時の技術では不可能と思われていた生放送や音楽番組などだ。NHKは来年の2006年までに目標を達成し、キー局も90%台の目標を持って、懸命に拡大している。
2007年以降、字幕放送だけではなく、全ての障害者のための放送の実施目標を掲げるべきだ。地上波デジタル放送の拡充、インターネットとの融合など国連の障害者の権利条約の制定とも絡んで大きな曲がり角にある。

ラビット 記

指針
字幕放送普及の指針は、1995年、平成7年11月17日に総務省(当時の郵政省)が定めたもので、正確には「字幕放送へのアクセスの機会拡大に向けてー字幕放送普及行政の指針」。
放送事業者全体に対して、放送事業者の種類ごとに2007年までに全ての番組に達成する目標を掲げている。
http://www8.cao.go.jp/shougai/whitepaper/h16hakusho/zenbun/html/zuhyo/fig01_01_74.html