私が20代前半だった40年以上も昔に買った花で、当時の郵便貯金の預け入れ限度額が「100万円」と言う時代に「一作開花株で8,000円」もした「高嶺(値)の花」なのです。
一作開花株(1年栽培すると花が咲くくらいの株になるであろうと言う程度の株です」と言うことだったのだが、実際に花が咲いたのは2年後の事で、カタログで選ぶのに1年近くかかったこともあり、咲いた時は正に「ヤッター!」と言う気分だったことを今でも覚えていますが、最近は安く花の咲いたものが手に入るのでそのような気分になれないのが残念です。
この花を買った数年後に今の家に住むようななり、株分けやバックバルブから芽を出させるなどして、一時は十鉢近くにも殖やした事もあるのだが、ランの値段が下がるにつれて鉢数が増え、少しずつ欲しいと言う人にあげたりして今ではこの一鉢だけになってしまいました。
仕事が忙しかった時などはかなりいい加減な扱いもしたのだが、元来が丈夫な種類だったようで、他の花の多くがダメになるような状態でも元気に生き残り、毎年のように花を咲かせてくれる孝行者で、一年くらい悩んで買っただけの事はありました。
鉢の数が増えるにつれ置き場所に困るようになり、何度か処分する事も考えたのですが、一年近く悩んだ末に買った思い入れの強い花だけに処分する事も出来ず、これからも当分は居座る事になるでしょう。