暖房で乾燥したベッドで、
なかなか眠れない一晩を明かして、
起きるなりハタと弱った。
紙おむつの着用方法が分からない。
説明書を見ても、小便は4回まで、軟便も大丈夫と、
効能は書いてあるが着用方法は書いていない。
どっちが前か・・・・
急ぐことはない。
看護師さんが来て紙おむつのことは解決した。
「インシュリンは遅効性のものだけを打って、
速効性はのものは止めます。
それから、これに着替えてください」と、
人間の体の形に切り抜いた、
胴体と袖の部分の前と後ろの型紙のような、
ワンピース、胴体の両側をマジックテープで留めて、
体を覆う仕掛けの手術着を紙パンツ姿の体に着て、
車いすに載せられて手術してへ。
機械とパソコンが並んだ部屋の隣に押し込まれると、
幅50cmほどの台があり、
階段を二段上がって、その台の上に寝る。
マジックテープで留めてあるワンピースの上の部分を、
バリバリとマジックテープをはがし、
身体の消毒、左手首、右手首、
緊急用のために足のつけ根、
つまり睾丸の両サイドを消毒する。
この間、素っ裸。
終わると何かビニール製の重いものを、
ドサッと体に掛けたタオルの上の載せる。
X線を使用するので、
必要な部分以外は被爆しないよう被せる。
左手に点滴を血管に繋ぐ。
右手は手術用のカテーテルを入れる口を作るために、
動脈の血管を切りカテーテル(管)を入れていく。
その後何をしているか分からないが、
クレーンのような機械の先に付いている、
X線用のカメラが上から下から、横の左右から、
動き回って心臓のX線写真を撮っている。
作業内容が逐一映像になっているはず。
ボクには長く感じたが1時間ほどで終了。
終わるまでの準備に時間をとられた。
カテーテルを入れた血管は止血できるまで、
手錠のような感覚の5cm幅のビニール製の帯(おび)で縛ってある。
左手には点滴の管を、
右手は手錠を血管の切り口がつながり血液が止まるまで、
6時間安静にしろとのお達しだ。
17階の部屋のベッドに帰ると、
手術着を看護師さんが剥ぎ取って、
パジャマに着替えさせてくれる。
紙おむつとパジャマ姿で、
やっとベッドに腰掛ける。
しばらくすると、お昼の食事が来た。
右手首は曲げることが出来ないし、
左手がかろうじて五本指を動かせる状態で、
箸をうまく使えそうもない、
ボクは右利きである。
(左手のスマホで撮った富士山)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/18/fe/3cb70d405d08d2ceeadc7e9898409fe6.jpg)
食事が出来そうもないことを看護師さんに告げると、
スプーンを持ってきてくれた。
献立は、白身魚の照り焼きと付け合わせのサラダ、
別のお皿に小松菜らしき野菜のお浸し、
それにもう一品、
芽昆布と山芋の千切りの酢漬け、
ほうじ茶とご飯少々。
看護師さんが照り焼きの魚を、
一口大にスプーンで切ってご飯に載せてくれた。
これで何とか左手で食べられそう。
ご飯は、照り焼き魚と一緒に、何とか左手で食べた。
小松菜のお浸しと付け合わせサラダは、
何とか左手に持ったお箸で苦労して食べたが、
芽昆布と山芋の千切りの酢の物は、
左手に持ったお箸ではつかむことが出ず、
犬ではないが、小鉢に口を突っ込んで、
スプーンでかき寄せてやっとの思いで食べ終わった。
とたんに疲れが出て、
歯も磨かずベッドに横になるや眠ってしまった。
2時間ごとに右手の状態を観察に来るナースがいて、
状況を観察すると、硬く縛ったビニールの帯を、
少しづつ緩めていった。
3回目の時には、ハッキリ目覚めていて窓の外を見ると、
真っ赤な夕焼けがとても綺麗であった。
(ベッドルームから見た夕やけ)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4b/58/3ac66507f8070a8b602eff40ec7697fa.jpg)
PM18時が来て、夕食が来た。
同じタイミングで、点滴が終わり、
右手首の血止めの帯もとることが出来た。
自由の身となり、夕食は美味しく頂いた。
後は施術した医師の説明を待つだけ・・・・
(つづく)