(夏草や…)
毎日の日課である散歩も、最近は暑さに負けそうになる。
お気に入りの荒川土手の散歩コースも、
陽射しが強く日焼けで皮が剥けた。
夏草は5-60cmに生い茂り、歩いていると
ひざの辺りに当たる。
そろそろ刈る時期が来ていると思っていたら、
建設省もよく考えているらしく、
ブルトーザーで草刈りを始めた。
伸び放題になった髪の毛を、バリカンで刈るような
爽快さがあり、つい立ち止まって見入ってしまう。
夏草のアオ臭い匂いが鼻に快く感じられる。
草を刈った後にムクドリがやってきて、
虫でもいるのか、雑草の種が落ちているのか、
群れになって、しきりに地面をついばむ。
やがて鳩もやってきて、ムクドリと同じように
地面をついばむ。
空は何処までも青く、その向こうの宇宙には、
昼間は見えないが、無数の星がひしめいているに違いない。
春には花を一杯つけて、美しく咲き誇った桜も、
今は葉を繁らせて木陰を作り、
ベンチには若い男女が楽しそうに語り合う。
散歩をするものにとっては、至福の季節だ。
陽は明るくて晴れやかで気持ちよく、
顔を撫でる風も心地よい。
すぐに新しい雑草の芽が出て、
また青々とした葉を繁らせるだろう。
繰り返し繰り返し、毎日が過ぎていく。
散歩するものにとってなんと心地よい毎日だろう!!