王様の耳はロバの耳

横浜在住の偏屈爺が世の出来事、時折の事件、日々の話、読書や映画等に感想をもらし心の憂さを晴らす場所です

拉致とよど号事件

2006-11-11 09:22:37 | 政治
松本京子さんを拉致認定へ 77年に鳥取県内で失跡(共同通信) - goo ニュース

読書週間を高沢皓司(たかざわこうじ)氏の《宿命》-「よど号」亡命者たちの秘密工作-
新潮社-を読み耽った
著者は現在ジャーナリストで戦後の社会運動・学生運動に造詣が深い
話は1990年高沢氏が北朝鮮の平壌によど号事件の主犯田宮高麿を訪ねる所から始まる 
よど号事件の始まりから1995年11月田宮の急死までを縦糸に折節の出来事;思想改造、妻帯、東欧工作、日本潜入、同志の総括等が横糸に絡む 
1998年の作品であるが今にして思えば誠に納得に行く話しである
話は北朝鮮による「日本人拉致」に絞る

1970年日本を追い詰められた田宮一派9名は「よど号」をハイジャックし取り敢えず平壌に飛ぶ 思いがけぬ出来事を生かし「金日成」は彼らを海外特に日本に対する「北朝鮮賛美の生きた広告塔」として使う事を決める
平壌郊外の大同江を望む招待所(幹部用宿泊施設)に軟禁し徹底した思想改造教育を施す

北朝鮮労働党から派遣された政治将校(爺の言葉)による思想教育--既存の価値観の破壊もしくは放棄と新しい思想の刷り込み
もともと大した思想的背景があった者達でないから(一般朝鮮人は貧しかろうに)我々ばかりこんなに良くしてもらってとの義理、気持ちの負い目が加わり自己の価値観を失う そこへ「金日成同志に命を掛けて戦う」との徹底した刷り込み教育
決して強制はしないがそれと答えが出るまで繰り返し質問と討論の繰り返し

いつしかそう答える事が正解なのだと理解し、それに対応すると主体思想が身についてきたと評価されるわけ 日本語の「主体的」とは意味が正反対である

2年にわたる刷り込み(マインドコントロール)が仕上がると金日成に成果が披露される 若者たちに革命同志の補強をなんて甘言で「日本人妻」を娶らせる事が
金日成の方針として決定される
日本国内で「チュチェ思想研究会」から森順子他が選ばれたようだ 森はその後田宮高麿と結婚するが在日朝鮮人を父に日本人を母に生まれた 日本革命を果たすリーダーの跡継ぎが朝鮮系の血を受け継ぐなんてなんと「代をついで革命事業を行う者に相応しい伴侶でないか!」日本での付き合いのあった小西とその妻(そもそも彼女の小西を訪ねての無謀とも思える北朝鮮渡航が花嫁作戦の引き金である)  でも9人全てに似合いの伴侶が見つかった訳では無かった様だ
しかし「偉大なる首領金日成様」のお言葉は絶対である

そこで数あわせで岡本武の妻は「高知」から拉致されたらしい (FNNニュースを引用)
よど号犯妻・福留 貴美子容疑者、だまされて北朝鮮に連れて行かれた可能性
2006年11月10日 13:24
ようやく日本のマスコミも触れる様になった
吉田金太郎の妻もそうではないのか

後日だが岡本(彼はテルアビブ空港で乱射事件を起こした岡本公三の兄)と吉田は何らかの理由で夫妻とも日本人村から排除され「強制労働所」に収監されその後死亡の噂がある

その後結婚により子供を得た田宮達は東欧で「日本人拉致」に関わったらしい
有本恵子さん、石岡亨さんの拉致にはよど号の妻たちが関連している
話を元に戻して「日本人拉致」は思いつきでなく北朝鮮の最高指導の指令で行われた事なのである
従ってこの指令に違反する事なんて北の指導者は誰も出来ない
「聖なる革命家族に連なる代を継いだ金正日」も拉致を認めたり謝罪したりする事は自分の寄って立つ権力基盤を破壊する事になる

彼らの側からみればいつまでも「拉致」の問題を指摘され非難される事は堪えがたい苦痛なのだ 考え様によっては「核開発計画」を破棄するより辛いはずである

だから6カ国協議から日本を排除したいなどと金きり声を上げているのである
共同通信によれば国内に於ける「拉致被害者」を又認定したようである
地味であるが朝鮮労働党の工作員、その支配化の総連の人間、手先の日本人等洗い直しが必要である
北が総力戦であるから日本人も総力で反撃しなければいけない
真意は分からぬが2001年にはよど号グループの妻と子供たちが帰国している
何をするのかしないのか しばらくはじーっと見守り目を放してはいけない
日本人はこの手の根気のいる仕事は症に会わないのだが 続けなければ

共同通信:
1977年10月に消息を絶った鳥取県米子市の元縫製工場従業員松本京子さん=失跡当時(29)=について、警察庁が北朝鮮による拉致被害者と認定する方向で最終調整していることが10日、分かった。政府の関係省庁連絡会議を経て正式認定されれば、昨年認定された神戸市の元ラーメン店店員田中実さん=同(28)=以来で、17人目。事件としては12件目となる 引用終わり
コメント (2)
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