王様の耳はロバの耳

横浜在住の偏屈爺が世の出来事、時折の事件、日々の話、読書や映画等に感想をもらし心の憂さを晴らす場所です

青い目の赤ひげ先生 ロシアを語る

2006-11-24 06:28:44 | 政治
過日友人の誘いで「青い目の赤ひげ先生」ことユージン・アクショーノフ(アクセノフとの表記もある)先生の卓話を伺う機会に恵まれた

アクショーノフ先生は1924年満州生まれ、無国籍、出自としては白系ロシア人である 現在も六本木のはずれ麻布飯倉の交差点近くで「インターナショナル クリニック」を運営する現役のお医者様である 先生は主に自由診療で日本に居る外国人の診療に当たっている 金の無い人からは治療費を取らず金持ち(来日するスター要人等)から余分に取って埋め合わせをするそうで人呼んで「青い目の赤ひげ先生」或いは「六本木の赤ひげ先生」だそうである

先生の数奇な半生は次回にゆずって本題に入りたい
先生のもう一つの顔は長年に亘る日本に於ける白系ロシア人のコミュニティーの維持・向上そして世界中に広がる白系ロシア人のネットワークに於ける指導者としてのお立場である
その様な活動の結果であろう
9月?のある日ロシア大統領のプーチンから先生に電話が掛かった
その結果1010月24日 大統領府の招待(という事はプーチンの客と言う事)で訪ソとなった
会議にはプーチンと(ロシア正教の)大司教が出席し約400名が世界から招かれた晩餐会があったそうだ
昔のロシアの習いでは大司教が列席すれば食事の前に大司教から(何かを貰うのか、口にする様な)儀礼があるらしい
先生以外はプーチンに遠慮してその行動に出ない 先生はその場の最長老らしいので自ら進んでその儀礼に及んだらしい すると周りの皆も先生に習って次々と儀礼に従い実に和やかな雰囲気になったそうである
この席での話は前回の卓話の主題であった様で爺にはわからない
でも「世界に広がるロシア人の再会」をモスクワで行うことについてプーチンの了解を得る事がその一つであったようだ

それから間もなく11月4日先生とご子息の二名はロシアの国賓としてプーチンから招待状が来た 空港まで駐日ロシア大使の見送りが付いたそうである モスクワについてパスポートコントロールは一切無し 出迎えの要員により直ちに特別門から迎賓車へ パトカーの先導で宿舎へ直行だそうである
さて用件は「旧ロシア人の再会」という事で約百名が招待されたそうだ 日本からは先生親子のみ
会場はクレムリン宮殿内の聖ゲオルギーホールだそうでロシアの事を少しでも知る人からは驚きの声が上がったほど それほどの格式の高い場所だそうである

晩餐をかねた会議であった様でプーチンは3時間ほどの会議の2時間を立ったままで話を続けたそうである
さて当日のメニューを見せてもらったがロシア語は全く読めない ただ鷲のついた盾か何かの紋章が金で押してあった
料理は10数品に及んだが鹿、いのしし、鱸、カニ、キャビアどれも新生ロシアでの産物である しかしワインだけが仏と伊の物だそうで旧ソ連にはワインの名産地があったがロシアには無くなってしまったという事であり、そういう立場を食事に託して伝えたプーチンの意向であろう
席上プーチンは:
ロシア革命以降のソ連政権による抑圧を謝罪した
白系ロシア人の財産を返す
ロシアの国籍を与える
帰国を認める/援助もする
将来的には「ロシア・ベラルーシ・ウクライナ」のロシアでやってゆく
国旗も旧ロシア紋章も旧ロシアのそれである
(宗教は前回の会議でロシア正教と和解が成立している)イスラム特に原理派とは一線を画す事になるのであろう(ここは爺の推測)
と大原則を述べた

先生に対しても(という事はプーチンが席を回って歩いたか先生を席に呼んだことになるが)同じ話をしたそうだ
先生は:もう財産もいらない、生活に困ってないから援助も必要ないと辞退した
プーチンは:ご家族に援助しよう 留学・研究何でも言いなさいだと
先生は:これには心が動いた 音楽・文学・絵画・語学・スポーツなど等子や孫が    機会に恵まれる事はすばらしい事である
先生はプーチンの帰国の誘いに「日本でハッピーだから帰らない」「民間でできることは協力する」「日本の国民は良い、正直だ.こういう国と付き合うのはロシアにも良い」と答えたそうである 
だがなんとこの場面をというか初めからロシアのTVが入り録画していたそうである ライブで放映されたのかは判らない
でも一貫した先生の姿勢は時間を越えて評価されている

以上最近のロシアをプーチン大統領の発言とあわせ考えると興味が尽きない
プーチンは旧ソ連との行きががりを絶ってロシアとして再生する努力を開始した
その為に祖国を後にした白系ロシア人との和解を開始している

又帰国についての援助は1万ドル相当(約100万円)の国家補助が出る」そうでこれならかなり遠くからでも帰国できそう
又ソ連崩壊後海外に移民した人たち(特にユダヤ系の人がイスラエルに)が増えたが近頃では資格も、言葉もロシアで通用する(海外ではソ連時代の資格は通用しない)ので戻る人が増えているそうだ
それやこれやで緩やかながら小児人口が増えだしたそうだ
平均的に生活水準を考えればロシアの100万円は日本では1000万円になろう
プーチンは偉い 凄い

話は跳んで月中ハノイでAPECの会合があり安倍総理はプーチン大統領と会談した どうやら「北方領土問題は抜き」で協力関係を強めようとの事らしい
プーチンにとっては新生ロシアの再建が急務であり「北方問題」は二の次なのかもしれない

日本も「四島の帰属」をどう考えるのか国論をまとめる良い機会であろう
ロシアはルーブル危機を乗り越えルーブルのインフレと不良債権の問題を乗り切ってしまった
日本は国公債発行残高1000兆円 この清算を済ませていない
おまけに国民的団結でもプーチンに遅れを取って居る様に見える
安倍総理にしっかり舵取りをお願いしたい

コメント
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