火曜日は「つたや」のDVDが半額で借りられる日なのです。運良く2007年2月上映の「墨攻」を見ました。
最近のアジア映画で中国、台湾、香港の合作位は普通。場合によっては日本が絡む物も有るようです。
この「墨攻」は日本、中国、香港、韓国の四カ国合作だと見た後、知りました。
しかもどこに日本人が出ていたかと思ったらば、なんと原作は日本による「墨攻」という小説とそれを基にした漫画「墨攻」を基に脚本が書かれたそうです。
そう言えばまだサラリーマンであった時代に爺も週刊漫画誌で坊主頭の墨子?や虫使いの話を見た覚えが有ります。
主演の墨家の流れを汲むアンディー・ラウが香港人、敵役の趙の将軍を演じるアン・ソンギが韓国人、ラウに思いを寄せる若い女騎馬隊長が中国人のファンビンビンという訳です。
爺が小説や映画の話について書くと老妻から必ず「感想文は内容の筋書きを書く必要は無い。感想文は読む人も同じものを見聞きしている前提で爺が感想を書けば良い」と批判されます。前にも書きましたが、爺は小学生の頃「担任の先生から○○」の感想文を書けと宿題を出され「読んだ話の要約を書くものと思い込み小学生にしては夜遅くまで苦労して要約を書いていました。先生はその力作の数々を何とも言わず卒業までの3年を過ごしました。ひょっとすると一枚も読んでなかったのかもしれません。」
そんな訳で、感想を書こうと思うと作品の要約になってしまうのです。感想文でなく簡単なご紹介と若干の感想ですかね。
さて話は中国の戦国時代末期、秦が統一を達成する(BC221年)10年位前の話になります。北京の南500キロほどの辺りに趙という大国があり北京の周辺には燕という国があり趙が燕を攻めようとする中間に梁(りょう)という小国がありました。君主以下4000人という小国です。趙の国の首都邯鄲(かんたん)から10万人という大部隊が出動してきます。その先鋒部隊は早くも梁の城下に近づいてきます。
ご存知当時小国は都市国家で平原の中に日干し煉瓦で城壁を巡らせその中に王も兵も住んでいます。平時には農民はその周辺で農作に従事して戦時にはかれらも城内に立て篭もります。映画では城の周辺は荒涼たる荒地ですがこれでは農作が出来ません。あの城壁の立派な規模で僅か4000人とは 1万人は居なくてはね。まあその様な設定です。わははは! 城の造作はブラッド・ピットのトロイに負けないほど良く作られています。
城では和睦と戦争と議論が分かれ王の気持ちは揺れています。先鋒隊が到着する直前、応援を求めた墨家から革離(かくり)という若者が一人だけ送られてきます。彼がアンディー・ラウです。
実は非戦(反戦)と兼愛(広く自分を愛するように他人も愛する)を説く集団も3代目になると変節し、現当主は梁の救援を認めませんでした。これに義憤を覚えた
革離が一人で駆けつけたという訳です。王の前で和戦の議論が再燃しますが、王子の口ぞえもあり革離に「兵の指令権」を与え篭城と決まります。
革離の工夫で長距離の弓矢を飛ばし先鋒隊長を傷付け退ける事が出来ました。
兵と民衆の心をつかんだ革離は敵の本隊が来る1週間の間に城の正面にもう一枚城壁(日本風に言うと出城)を築き敵の兵力と味方の防御を集中させ時間を稼ぐ作戦を建てます。
敵の本隊が到着。敵将(これが韓国人アン・ソンギ)の命令で城攻めが開始されます。第一戦は出城の門を破り仮の中庭に突入した趙軍を油で焼き殺し撤退させます。この間城攻めに雲悌も衝車も投石器も登場しません。只力攻めでした。
第二戦は趙軍が地下道を掘り城内に突入する作戦ですが、これもたまたま偵察に出た革離に見破られ邀撃されます。超軍の精鋭部隊数千人は地下道から城内に侵入しますが待ち伏せを受け惨殺されます。
攻撃は頓挫し攻守側共に緊張が緩みます。この辺りまで映画も分かりやすく進行しました。次に手を模索する両雄。すると趙の邯鄲に大国の魏が攻め込む気配。趙軍の撤退は時間の問題です。そうなるとこの度の篭城戦で庶民の信頼を得た革離の人気をねたむ貴族の讒言が出て革離を王位を狙う不遜の者とする追い落としの策略と革離を支持する(と見られる)人士(を捕える為の)の選別が開始されます。
やがて読み筋通り、超軍は全軍が撤退した事が確認されました。女騎兵隊長(ファンビンビン--松たか子似の可愛い女性)の求愛を拒んで革離も梁城を後にします。
さて5000人を失い全軍撤退した筈の趙軍ですが大将軍と配下の千名が気の緩んだ梁城を襲おうと近くの林の中で最後の戦いの準備に余念がありませんでした。
さてこの後どうなるか? ここからの話がやや冗漫です。
皆殺し合いの末、命や自分の生きがいを失い得るものはありませんでした。
革離が孤児となった小さい子供たちを連れて去る後姿に僅かに希望が託されました。
梁は5年後に滅び趙も秦に破られ10年ほど後に秦による中国統一が達成されたそうです。
時間があったらDVDで見るには面白い作品と思います。お試しあれ。
最近のアジア映画で中国、台湾、香港の合作位は普通。場合によっては日本が絡む物も有るようです。
この「墨攻」は日本、中国、香港、韓国の四カ国合作だと見た後、知りました。
しかもどこに日本人が出ていたかと思ったらば、なんと原作は日本による「墨攻」という小説とそれを基にした漫画「墨攻」を基に脚本が書かれたそうです。
そう言えばまだサラリーマンであった時代に爺も週刊漫画誌で坊主頭の墨子?や虫使いの話を見た覚えが有ります。
主演の墨家の流れを汲むアンディー・ラウが香港人、敵役の趙の将軍を演じるアン・ソンギが韓国人、ラウに思いを寄せる若い女騎馬隊長が中国人のファンビンビンという訳です。
爺が小説や映画の話について書くと老妻から必ず「感想文は内容の筋書きを書く必要は無い。感想文は読む人も同じものを見聞きしている前提で爺が感想を書けば良い」と批判されます。前にも書きましたが、爺は小学生の頃「担任の先生から○○」の感想文を書けと宿題を出され「読んだ話の要約を書くものと思い込み小学生にしては夜遅くまで苦労して要約を書いていました。先生はその力作の数々を何とも言わず卒業までの3年を過ごしました。ひょっとすると一枚も読んでなかったのかもしれません。」
そんな訳で、感想を書こうと思うと作品の要約になってしまうのです。感想文でなく簡単なご紹介と若干の感想ですかね。
さて話は中国の戦国時代末期、秦が統一を達成する(BC221年)10年位前の話になります。北京の南500キロほどの辺りに趙という大国があり北京の周辺には燕という国があり趙が燕を攻めようとする中間に梁(りょう)という小国がありました。君主以下4000人という小国です。趙の国の首都邯鄲(かんたん)から10万人という大部隊が出動してきます。その先鋒部隊は早くも梁の城下に近づいてきます。
ご存知当時小国は都市国家で平原の中に日干し煉瓦で城壁を巡らせその中に王も兵も住んでいます。平時には農民はその周辺で農作に従事して戦時にはかれらも城内に立て篭もります。映画では城の周辺は荒涼たる荒地ですがこれでは農作が出来ません。あの城壁の立派な規模で僅か4000人とは 1万人は居なくてはね。まあその様な設定です。わははは! 城の造作はブラッド・ピットのトロイに負けないほど良く作られています。
城では和睦と戦争と議論が分かれ王の気持ちは揺れています。先鋒隊が到着する直前、応援を求めた墨家から革離(かくり)という若者が一人だけ送られてきます。彼がアンディー・ラウです。
実は非戦(反戦)と兼愛(広く自分を愛するように他人も愛する)を説く集団も3代目になると変節し、現当主は梁の救援を認めませんでした。これに義憤を覚えた
革離が一人で駆けつけたという訳です。王の前で和戦の議論が再燃しますが、王子の口ぞえもあり革離に「兵の指令権」を与え篭城と決まります。
革離の工夫で長距離の弓矢を飛ばし先鋒隊長を傷付け退ける事が出来ました。
兵と民衆の心をつかんだ革離は敵の本隊が来る1週間の間に城の正面にもう一枚城壁(日本風に言うと出城)を築き敵の兵力と味方の防御を集中させ時間を稼ぐ作戦を建てます。
敵の本隊が到着。敵将(これが韓国人アン・ソンギ)の命令で城攻めが開始されます。第一戦は出城の門を破り仮の中庭に突入した趙軍を油で焼き殺し撤退させます。この間城攻めに雲悌も衝車も投石器も登場しません。只力攻めでした。
第二戦は趙軍が地下道を掘り城内に突入する作戦ですが、これもたまたま偵察に出た革離に見破られ邀撃されます。超軍の精鋭部隊数千人は地下道から城内に侵入しますが待ち伏せを受け惨殺されます。
攻撃は頓挫し攻守側共に緊張が緩みます。この辺りまで映画も分かりやすく進行しました。次に手を模索する両雄。すると趙の邯鄲に大国の魏が攻め込む気配。趙軍の撤退は時間の問題です。そうなるとこの度の篭城戦で庶民の信頼を得た革離の人気をねたむ貴族の讒言が出て革離を王位を狙う不遜の者とする追い落としの策略と革離を支持する(と見られる)人士(を捕える為の)の選別が開始されます。
やがて読み筋通り、超軍は全軍が撤退した事が確認されました。女騎兵隊長(ファンビンビン--松たか子似の可愛い女性)の求愛を拒んで革離も梁城を後にします。
さて5000人を失い全軍撤退した筈の趙軍ですが大将軍と配下の千名が気の緩んだ梁城を襲おうと近くの林の中で最後の戦いの準備に余念がありませんでした。
さてこの後どうなるか? ここからの話がやや冗漫です。
皆殺し合いの末、命や自分の生きがいを失い得るものはありませんでした。
革離が孤児となった小さい子供たちを連れて去る後姿に僅かに希望が託されました。
梁は5年後に滅び趙も秦に破られ10年ほど後に秦による中国統一が達成されたそうです。
時間があったらDVDで見るには面白い作品と思います。お試しあれ。