王様の耳はロバの耳

横浜在住の偏屈爺が世の出来事、時折の事件、日々の話、読書や映画等に感想をもらし心の憂さを晴らす場所です

核密約 有った 10政権でリレー

2010-03-10 07:39:33 | 政治
核密約、10政権でリレー=「佐藤-海部」記録が裏付け(時事通信) - goo ニュース

昨日夕刻のTVニュースで岡田外相が外務省密約調査の結果を公表する画像が流れた。
密約は大きく4つ:核の持込、(朝鮮有事に於ける)在日米軍の自由出撃、沖縄復旧時の現状回復費の肩代わりそして有事の核再配備。
その内4つ目を除いて広義或いは狭義の密約が有ったと正式に認めるか認める事になるのだろう。

いすれも難しい問題ばかりで素人が全部にコメントなんか出来ないから「核の持ち込み」に付いて一言。
06年当時の中川政調会長が「核保有の議論」さえも封じられるとしてこれでは「非核四原則」でないかと発言し物議を醸した。暇な方は爺の記事を参照あれ
もう一度お浚いすれば非核三原則とは67年佐藤内閣が小笠原返還時に「持たず、作らず、持ち込ませず」を政府見解としたものを沖縄返還を控え71年11月衆議院本会議で決議され国是として確立したとされています。
良く考えれば「持たず、作らず」は日本国の意思で出来ますが「持ち込ませず」は米国の合意が必要です。
しかも「持ち込ませず」とは在日米軍基地に保管する事を拒むのか? 米国艦船の寄港・通過迄も認めないのかは当然考えなければいけない事で有ったのですがこの点が「日米間の見解が灰色」で歴代政府は後者を黙認していた事がはっきりした様です。
まあ米国は「自国の安全保障上艦船に戦術核兵器を積んでいるからと言って日本に寄港の度に領海外に置いて来る」なんて手間な事をする訳がありません。
従って日本政府が本当に「寄港も認めない」のであれば米海軍による核抑止力にカバーされる事が出来なくなりますから「双方がそんな事できると出来ない」の言いっ放しの格好を取って核搭載した軍艦が寄港していたのでしょう。これが広義の密約の姿のようです。

一部の報道では1991年頃より「米国の艦船は戦術核を搭載しない事になった」と報じています。爺が思うにこれは「米ロのINF交渉が進み戦術核兵器とその運搬手段を削減する事が決まった」結果でないか? 日本政府をそれを(米軍の艦船で)検証できる立場にあるのか知りたいと思っています。又長距離核ミサイルの配備は別途交渉ですから「核ミサイル原子力潜水艦」の寄港はどうなっているか? 持ち込みの可能性はありそうです。

岡田外相は「核の持ち込みは今まではなし。これからは不明」としましたがこの認識は正しいと思います。
一方鳩山首相は「非核三原則を守る」と早速気軽に発言されました。

米国の合意が必要な「寄港時・通過時の核持ち込み」を禁止するには厳密な検証が必要になります。何らかの方法でその手段を決めないと「国是」と言うお題目を唱えているだけになります。
国家間の約束をするならそれは日米二カ国語で文章化しそれが実行されているかどうか相互に検証が可能な手段を補足契約で山ほど作らねばいけません。生命保険の契約書でも5ミリほどの厚さはありますよ。

有事の際の(沖縄への)核持ち込みだって決めてなければ可能性が無い訳ではありません。
「命を守りたい」と声が裏返るほど思いがあるなら「有事なら持ち込みは良いのか?悪いのか?」良く良く国民の意見を聞いて欲しいものです。
「良いことを言ってるだけ(リップサービス)で何もしないのは政治家として資質に欠陥が有る事になります」
「普天間基地移設もそうですが言ってることは国民の期待するよう手を打って欲しいものです」


時事通信:
核兵器を搭載した米艦船の寄港を事実上黙認する政府方針が、佐藤内閣から海部内閣までの10政権で確実に引き継がれていたことが、9日に開示された日米の「核持ち込み密約」の関連文書で裏付けられた。

 佐藤政権下の1968年1月に東郷文彦外務省北米局長が作成した「極秘」扱いの文書は、核搭載艦船の寄港が「核兵器の持ち込みに当たらない」とする米政府の見解や、日米間で突っ込んだ議論を行わずに事実上認めてきた経緯を明記。その上で「日本周辺の外的情勢、国内の核問題の認識に大きな変動あるごとき条件が生じるまで、現在の立場を続ける」としている。

 この文書の欄外には、佐藤内閣から宇野内閣までの首相や外相に外務省幹部から文書の内容が説明されたことが日付とともに記録されている。また、89年8月に栗山尚一外務事務次官が海部俊樹首相と中山太郎外相に説明したことを記したメモも添付されている。この引き継ぎについては、竹下内閣などで外務事務次官を務めた村田良平氏が昨年6月、実名で証言していた。  (引用終わり)
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