3月のEUによるロシアへの制裁措置の一環でバルト三国の南端にあるリトアニアがその更に南のカリーニングラード(ロシアの飛び地)への「制裁対象となっている貨物を積んだ列車の国内通過を禁止した」のを受けて21日ロシアの安全保障会議のニコライ・パトルシェフ(Nikolai Patrushev)書記は「深刻な結果を伴うことになると警告した」事が日本でも報じられるようになりました。
カリーニングラードはソ連邦が第2次世界大戦に参加した外交交渉で(宿敵)ポーランドとドイツを分断する緩衝帯として勝ち取ったものです。
日本語の地図をネットから
カリーニングラードにはロシアバルチック艦隊の司令部がおかれ、本土クロンシュタット軍港の外港として高い機能を有しています。またロシアの(核弾頭搭載可能な)イスカンデルが配備されているとも言われています。この地に対する「武器弾薬燃料など」が輸送できなくなるとロシア軍は大変な補給上の制約を受ける事になります。30年も前ならソ連軍が戦車100両も連ねてリトアニアになだれ込めばそれで一件落着でしたでしょうが、今ののEUは違うようです。 エストニアはロシア側からの電力供給遮断に、西側からの供給に切り替えた対抗する様です。
目下ここをクリック⇒、ウクライナの東部戦線はセベロドネツク市 の守備を放棄し、向かい側のリシャチェンスク市 側に撤退の様です。しかし南部戦線ではへルソン市郊外の部落を奪回とかヘビ島に猛攻撃と複雑なようです。そこに加えて、エストニアがカリーニングラードへの鉄道輸送に制限を加えるのですからプーチン大統領も頭が痛い事でしょう?! この付近の鉄道地図をちらと見た気がしますが見つかりません。ロシアからだとベラルーシを通らないと鉄道で結べないような気がします。日本のマスコミがもう少し本気になるとそんな地図が出てきそうな気がしています。
AFP=時事:
【AFP=時事】ロシア西部の飛び地カリーニングラード(Kaliningrad)州に接するリトアニアが、欧州連合(EU)の制裁対象となっている貨物を積んだ列車の国内通過を禁止したのを受けて、ロシア安全保障会議のニコライ・パトルシェフ(Nikolai Patrushev)書記は21日、リトアニアに対し、深刻な結果を伴うことになると警告した。 ロシアの通信社が報じたところによると、パトルシェフ氏はカリーニングラード州で開かれた地域安保会議で、「ロシアはこうした敵対行為には必ず対応する」と述べ、「適切な措置が近いうちに講じられる」予定であり、「その結果はリトアニア国民に深刻な負の影響を及ぼす」と強調した。 同日にはロシア外務省も、マルクス・エデラー(Markus Ederer)駐モスクワEU大使を呼び出し、本土とカリーニングラード州間の貨物輸送に対する「反ロシア的な制限」に抗議した。 ロシアはリトアニアに対し、制限の即時解除を要求している。これに対し、EUおよび北大西洋条約機構(NATO)に加盟しているリトアニアは、ロシアによるウクライナ侵攻を受けたEU制裁の一環だと説明している。 カリーニングラード州は、リトアニアとポーランドに挟まれ、バルト海(Baltic Sea)に面しており、ロシア本土からは完全に切り離されている。バルト艦隊の司令部があり、ロシアは同州に核弾頭を搭載可能な弾道ミサイル「イスカンデル(Iskander)」を配備していると主張している。【翻訳編集】 AFPBB News
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