29日マドリードで行われたNATOの首脳会議で「北欧のフィンランドとスウェーデンの2か国の加盟」に向けた手続きを開始する。それと共に、ロシアについて「直接的な脅威」と位置づけ加盟国の防衛態勢を大幅に強化することを決定しました。この会議の前のG7サミットに比べると会議の主張が良く分かります。2014年前後の「ロシアによるウクライナのクリミア半島占領」に対するNATOの対応に比べると「この2月ロシアによるウクライナの侵攻」がロシアに対する危機感を改めて認識させたのは間違いありません。
2か国の参加についてはトルコのエルドアン大統領が「2国によるクルド人テロ組織の援助」に抗議して反対の立場でしたが、バイデン大統領の説得も有り、参加を認める立場に変わり2国の参加が決定しました。
エルドアン大統領と関係国代表〈ネットより)
ロシアはフィンランドとスウェーデンに外交的圧力を加えていますが、手遅れでしょうね?! 更にG7サミット前にはバルト三国のエストニアが、ここをクリック⇒「ロシア鉄道におるカリーニングラードへのEUの制裁対象になっている物資の運び込みを禁止」をしたのを受け21日にロシアの安全保障会議のニコライ・パトルシェフ(Nikolai Patrushev)書記は「深刻な結果を伴うことになると警告した」 事でロシア軍がスヴァウキ ギャップに軍を派遣か? と戦史を研究している専門家から警告が出ています。
まあ、ここをクリック⇒26日前後のウクライナ北東部のセベロドネツク市のウクライナ軍の撤退と南部戦線でのウクライナ軍の反攻とどちらが勝っているか良く分からない状態に加え,エストニアとフィンランド、スウェーデン2国と三方面で軍事行動をとるかどうかは判りませんが、プーチン大統領が国体維持の危機と判断し、核兵器の使用を認めるような事が有ると第三次世界大戦になるのは間違いありません。それは嫌ですね!!
NATO常備軍も4万人から30万人へ増強と言いますから、今度はNATOも本気になったと思われます。岸田首相も中国に対する東の抑えとして役割を期待されているようですが、参院選を勝利しなければいけませんね。
責める方も守る方も暑い夏になるのは間違いありません。
写真:NATO首脳の記念写真
NHK:
NATO=北大西洋条約機構は29日、スペインで始まった首脳会議で北欧のフィンランドとスウェーデンの2か国の加盟に向けた手続きを正式に開始することを決めるとともに、ロシアについて「直接的な脅威」と位置づけ加盟国の防衛態勢を大幅に強化することを決定しました。
NATOの首脳会議はスペインのマドリードで29日から始まり、各国が合意した文書「マドリード首脳会議宣言」を発表しました。
この中では北欧のフィンランドとスウェーデンの2か国の加盟に向けた手続きを正式に始めるとしています。
NATOのストルテンベルグ事務総長は「加盟国は批准の手続きをできるだけ早く進める用意がある」と述べ、NATOに加盟する30か国すべての承認を経て早期加盟の実現に期待を示しました。
両国の加盟を巡っては難色を示していたトルコのエルドアン大統領が28日、北欧2か国の首脳とNATOのストルテンベルグ事務総長と会談し加盟を支持する姿勢に転じていました。
この中では北欧のフィンランドとスウェーデンの2か国の加盟に向けた手続きを正式に始めるとしています。
NATOのストルテンベルグ事務総長は「加盟国は批准の手続きをできるだけ早く進める用意がある」と述べ、NATOに加盟する30か国すべての承認を経て早期加盟の実現に期待を示しました。
両国の加盟を巡っては難色を示していたトルコのエルドアン大統領が28日、北欧2か国の首脳とNATOのストルテンベルグ事務総長と会談し加盟を支持する姿勢に転じていました。
ロシアは「直接的な脅威」 防衛態勢大幅強化へ
一方、NATOは今後およそ10年の活動指針などをまとめた「戦略概念」を採択しました。
この中ではロシアについてこれまでの「戦略的パートナー」から「もっとも重大で直接的な脅威」と位置づけ、加盟国の防衛態勢を大幅に強化するとしています。
また「戦略概念」では中国についてNATOの安全保障や利益、価値観に課題をもたらす存在として初めて言及しました。
NATOは29日、岸田総理大臣を含むアジア太平洋の4か国の首脳も交え、世界が直面する課題について意見を交わしました。
NATOのストルテンベルグ事務総長は記者会見で中国について「核兵器を含む軍備を大幅に増強し周辺国に強くあたり、台湾を脅迫している。ルールに基づく国際秩序を守るためパートナーと結束しなければならない」と述べ、海洋の安全保障やサイバー攻撃への対策を巡り日本などとの協力を強化する考えを示しました。
今後の手続きは
NATOの新規加盟に向けた手続きは北大西洋条約の第10条に基づいて進められます。
今回フィンランドとスウェーデンの2か国について、各国は「加盟議定書」に署名することで合意しました。今後、各国がこの「加盟議定書」に署名しそれぞれの国内で批准すると、両国を北大西洋条約の当事国として認めたことになります。
すべての国が批准すると、NATOの事務総長がフィンランドとスウェーデンに加盟を呼びかけます。
そして両国が国内の手続きを経て、アメリカの国務省に加盟文書を提出すると正式にNATOの加盟国となります。
ウクライナ ゼレンスキー大統領 NATOに支援要請
ウクライナのゼレンスキー大統領は29日に開かれたNATO=北大西洋条約機構の首脳会議にオンラインで参加し、さらなる軍事支援と資金援助が必要だと訴えました。
ゼレンスキー大統領は「これはロシアがウクライナだけに行っている戦争ではない。将来の世界秩序がどうなるかを決める戦争だ」と訴えました。
そして「ウクライナはあなたたちが持っている最新のミサイルと防空システムが必要だ。それらを提供することでウクライナの市民を恐怖に陥れようとするロシアの戦術を完全に断ち切ることができる」と述べさらなる軍事支援を求めました。
また資金援助についても月50億ドル、日本円にしておよそ6800億円という具体的な金額を提示して必要性を訴えました。
さらにゼレンスキー大統領はフィンランドとスウェーデンのNATO加盟をめぐる動きを歓迎する一方で「ヨーロッパの防衛などに対する私たちの貢献はまだ不十分なのか。あと何が必要なのだろうか。ウクライナのための安全が保障される空間を見いだしてほしい」と述べ、ウクライナのNATO加盟に向けた議論を始めてほしいと訴えました。
(引用終わり)