母親が二泊三日のショートステイから
帰って来ました。
ステイ中は受け入れ先から毎日連絡があり、帰宅願望も出ることなく穏やかに過ごしているとは聞いて安心していたのですが、帰宅して驚いたのは母の顔に以前のようなはっきりとした表情を見てとれたことです。
認知症にありがちな多少根拠が不明な発言はありますが、出る言葉も今回世話になる前よりはっきりしており、一生懸命親父や私に話しかけてくるのです。
その様子は、ここ3年間で一番良い状態と言ってもおかしくないものでした。
痴呆症状の改善には
アリセプトを服用していましたが、服用する量は当初より増えてきていました。
改善と言っても治療薬ではないのですから、最低限の状態を維持するものでしかありません。
もう母親の生き生きとした笑顔など見ることもないと思っていたのです。
これは奇蹟としか言いようがありません。
ショートステイ先で何があって、母親の中で何がどう変化したのを知ることは出来ませんが、
この笑顔が私と親父の宝物となりました。
始めはショートステイに難色を示していた親父も、やっと介護のプロの仕事を認めたようです。
素晴らしいことである筈の家族愛や責任感、そして配偶者だからこその使命感だけではやっていけないものがあるのだと知りました。
私と親父は母親の二泊三日のショートステイから沢山のことを学んだのです。
そして私は、やっとここ数週間のもやもやとしたものから解放されました。
これから先どんな変化があったとしても、今までのように悩みを抱え込むことはないでしょう。