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有名タレント「アニメ」声優起用 「本職」が失業危機、転職も

2007-12-11 21:28:29 | 芸能・スポーツ
有名タレント「アニメ」声優起用 「本職」が失業危機、転職も

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 新作アニメ映画の声優に人気タレントを起用する例が増えている。制作サイドの狙いは話題作り、アニメファンの裾野を広げたい、ということらしい。これで、困っているのが本職の声優さん。仕事が奪われる流れは止まらないようで、「声優さんの今後」を心配する声も出ている。

■みのもんた「ONE PIECE」新作に声優で出演

 例えば2007年公開アニメ映画で人気タレントが声優として起用されたのは、「シュレック3」の藤原紀香さん、浜田雅功さん。「ピアノの森」の上戸彩さん、「ベクシル-2077日本鎖国-」の黒木メイサさん、谷原章介さん、松雪泰子さんら。これから公開されるものは、「ザ・シンプソンズ MOVIE」の和田アキ子さん、所ジョージさん。「サーフズ・アップ」の小栗旬さん、山田優さん。また、みのもんたさんは「ONE PIECE」の新作で特別なキャラを作ってもらい出演するのだそうで、まさにラッシュ状態だ。

 かつて、タレントを声優に起用しネットで大論争になったことがあった。それは宮崎駿アニメ「ハウルの動く城」の木村拓哉さん。木村さんという自身のキャラクター、存在感に圧倒的なものがあるためか、

  「キムタクの顔ばかり浮かんできて、物語に没頭できない」

 また、

  「本物の声優なら表現力があり、もっと映画が面白かったはず」

などという意見が大量に出た。

 木村さんのファンにとっては大歓迎でも、アニメファンにしてみれば、「純粋に」アニメを楽しみたい、という気持ちが強かったのだろう。木村さんに限らず、タレントを声優に起用する事には様々な意見があり、朝日新聞の07年2月24日夕刊の記事「(TV端会議)今も耳に残る、あの声優たちの声」に

  「話題性から人気俳優が吹き替えを行うことが多いですが、やはり違和感があります。餅は餅屋。吹き替えは声優さんに」
  「吹き替えは、その声優の顔が浮かんでこないのがベスト」

といった読者の意見が掲載されている。

 それでも製作者側は主役になぜ有名タレントを起用するのか。アニメ業界関係者はJ-CASTニュースに対し、

  「宣伝効果が全然違う」

と指摘する。有名タレントが声優になる、というだけで話題になり、制作発表会にタレントが来ればマスコミ人が押し寄せる。作品の知名度が上がるため、高額のギャラを「宣伝費」と考えタレントに払っても割に合う、という考えなのだそうだ。しかし、制作側は「声優の質」というものを考えないのだろうか。その業界関係者は、

  「タレントのスキルは元々高い。4、5回も経験すればかなり上手くなる。もちろん、ダメなタレントもいますから、誰を起用するかの『見極め』が重要なんだと思います」

と解説した。

■声優が俳優、歌手、お笑いの仕事もする?

 声優側は、というと、やはり「本職である我々を使ってほしい」ということになる。声優の山寺宏一さんは自身のブログ(07年8月26日付け)で、声優にいろんなタレントや有名人を起用していることが目立つ、として、

  「中には『これはあまりにもムチャじゃないの!』と言いたくなるキャスティングもあると思います。もちろん話題性は大事ですし、お客さんがたくさん入ることはおろそかにできないのですが、本当にピッタリあったキャスティングをよくよく考えて欲しい」

と、安易にタレントを声優に起用する現状を批判している。

 ただし、有名タレントに声優を任せる、という流れはどうやら変えられないようだ。声優を育成・デビューさせているCHK声優センターはJ-CASTニュースの取材に対し、過去に比べBS放送、CS放送、ゲームなど声優が活躍する舞台は増えている、としながらも、話題作や、主役級については有名タレントに仕事が行ってしまうことが多くなった、と打ち明けた。そして、

  「これまでも例があるように、こちらから向こうに行くような形にならなければ、と思っているんです。声優が俳優、歌手、お笑いの仕事もする。そんなマルチな才能を育てていきますし、声優をステップにタレントになりたい、そういう挑戦もアリだと考えているんです」

ということだった。


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声優の危機? そりゃそうでしょ。

一般のタレントを声優に起用する流れを決定的にしたのはやはり宮崎駿監督だと思う。宮崎駿はそのことだけで結構、オタクから否定的評価を下されていたりもするが、一方、このような事態を招いた原因はアニメ・声優業界にもある。
ひとことで言ってしまえば、声優を使い捨てにし、育成を怠ってきたツケが回ってきたのだ。

私ももちろん、この世界を少しはかじった身として、やはりアニメの声を当てるのは声優の仕事だと思うし、タレントごときに…という思いはある。
だが、最近の若手声優は伸び悩み、一部を除いてタレントと大差ないのも事実だ。特に、地声が「アニメ声」の人を連れてきて、「このキャラにはこの声優」的なキャスティングをされる深夜アニメ等のあり方には率直に言って疑問を持っている。

いろいろな役を経験させることで声優は経験値を蓄積し、演技の引き出しも増えていくものだと思うが、短いサイクルで使い捨ての上、はじめにキャラありきの起用で育成の機会も与えられていないのが声優界の現状なのだ。
アニメオタクの中に「声だけで演技をしなければならない声優と、体全体を表現に使えるタレントを一緒にするな」という声があることも事実だが、一方で「タレントのスキルは元々高い。4、5回も経験すればかなり上手くなる」などと言われている現状はやはり、声優たちの力不足というべきだろう。
実力が同じなら、知名度が高くて客寄せができるタレントに軍配が上がってしまうから、声優には「やっぱりタレントごときじゃダメだ」と言わせるだけの実力が伴っていなければならないのである。

アニメ・声優界はこの現状に危機感を持ち、見せかけのオタク受けではなく実力ある声優の育成に努めてほしい。それが声優復権の唯一の道だと私は思っている。

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