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九州ブルトレ、2009年春に全廃へ

2007-12-05 21:24:04 | 鉄道・公共交通/趣味の話題
消えゆく東京駅発ブルトレ 「銀河」来春に引退(朝日新聞)

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 「ブルトレ(ブルートレイン)」の愛称で親しまれてきたJRの寝台列車が、09年春にも、東京から西へ向かう路線から姿を消す可能性が高まっている。利用客の減少が主な原因で、ほかの路線も同様の事情を抱えている。一部の豪華列車を除き、将来的には廃止の方向にあるという。

 JR各社の複数の関係者によると、08年3月中旬のダイヤ改定で消えるブルトレは、京都―熊本間を走る「なは」と京都―長崎を結ぶ「あかつき」、東京―大阪の「銀河」。また、大阪―青森の「日本海」と上野―札幌の「北斗星」は、現行の1日2往復から、1往復に減る。このダイヤ改定は今年11月中旬に正式決定し、12月中旬に発表される予定だ。
 さらに、09年春のダイヤ改定では、東京―大分の「富士」と東京―熊本の「はやぶさ」の廃止が、JR各社の担当課長レベルで合意済み。これが正式に決まれば、大阪以西を走るブルトレは皆無になり、東京駅でブルトレは見られなくなる。ブルトレ発祥の地である九州などでは、地元の反発も予想されるという。
 新幹線や飛行機、夜行バスに押され、「利用率が低い」のが廃止の最大の理由で、「車両が老朽化している」「夜間の要員確保が難しい」などの事情もある。
 JR東日本の調べでは、JRが発足した87年のブルトレ利用者数と比較すると、東京から西へ向かう路線全体の利用者は05年には21%にまで落ち込んでいる。
 例えば、「はやぶさ」は東京駅を午後6時過ぎに出発、熊本駅に着くのは約18時間後の翌日正午前。飛行機なら2時間もかからない。
 ブルトレの一般的な定義は、14系や24系と呼ばれる青い塗装の寝台車を機関車が引っ張る特急列車(銀河は急行)。現在、東京と九州、北海道、大阪と東北などを結ぶ9路線がある。このほか、電車タイプの寝台特急である「サンライズ出雲・瀬戸」(東京―出雲市・高松)や、比較的新しい車両の豪華寝台特急である「トワイライトエクスプレス」(大阪―札幌)や「カシオペア」(上野―札幌)がある。
 ブルトレの歴史は、56年に営業を始めた東京―博多の「あさかぜ」に始まる。あさかぜは58年から冷暖房完備の新型車両に編成を変えて以来、「走るホテル」と呼ばれて親しまれたが、乗車率が2割台に落ち込み、05年春に廃止された。
 JR各社は、関係部署の担当者による通称「ブルトレ会議」で、ブルトレの将来について検討を進めている。ほかの路線についても、新幹線の開業時期などに合わせて廃止することを視野に、検討しているという。
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ついに来るべき時が来たか、というのが私の感想であり、特に驚きはない。
東京~九州が「富士ぶさ」、関西~九州が「なは・あかつき」の事実上1往復になったときから、九州ブルトレの廃止はカウントダウン状態だった。
朝日新聞の記事には「ブルトレ発祥の地である九州などでは、地元の反発も予想される」とあるが、実際問題、この乗車率、この惨状では反発すら出るとは思えない。

最近では、九州ブルトレがまともに埋まっているのはお盆と年末年始くらい。それも新幹線その他が取れないから仕方なく使っているというのが現状だ。今年5月のGWでさえ、ネットで予約状況を調べたら全然空いていた。
JR側にもやる気がなく、そこそこの乗車率を誇る「日本海」ですら、先月ヒルネ乗車したとき、車内販売が乗車していなかった。「日本海」でさえそんな状況だったことがショックで、今までブルトレ擁護派だった私も、このとき「もういい」と思った。
最近では、鉄道ファン誌と鉄道ピクトリアル誌が毎月、鉄道写真の投稿を受け付けているが、鉄道誌にすら、読者投稿のブルトレ写真が載ることがほとんどなくなってしまった。ファンの関心事ですらない…寂しいが、それがブルトレの現状だと言えよう。

ブルトレの現状は、人間にたとえるなら末期ガン患者が生命維持装置だけで生きている状態に等しい。もはや助かる見込みもなく、私としては、もうこれ以上残しても栄光の歴史に傷がつくだけ。晩節を汚すことなく、このまま安楽死させてやってほしい。

ただし、ここに書いているように、夜行需要そのものはなくなったわけではなく、格安高速バスが新たな需要を掘り起こしたように、需要自体は必ずある。上りの「サンライズ出雲・瀬戸」が、銀河に乗り遅れた客の最終列車として使われている現状を見ても、個室化、格安化(サンライズの「ノビノビ座席」は寝台料金不要)のような改革を施すことで顧客のニーズをつかめる道は残っていると思う。

ただ、大量高速輸送を得意分野とする鉄道にとって、大量というほどの夜行需要は、結局、盆・正月等の繁忙期でなければ難しいのではないだろうか。今後は季節臨や、ムーンライトながらのような大衆路線、カシオペアのような高級化路線に活路があると思うので、引き続き需要をつかむ努力自体は続けてほしいと思っている。

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