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【告発キャンペーン2】「消費者は数値発表しても理解できない」と言い放った宮城県知事の数々の愚行

2011-09-04 19:04:53 | 原発問題/一般
しばらく間が開いてしまったが、告発キャンペーンその2では、村井嘉浩・宮城県知事を取り上げる。まずは、問題の記者会見の内容をご覧いただこう。

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宮城県知事定例記者会見(2011.8.22)

●県産牛出荷停止の一部解除について
◆Q(記者)
 検査証明書の表記には検出値も表記するのか、あるいは食品衛生法の基準を下回っていると、安全であるというざっくりとした表記になるのか。どのようになるのか。

■村井知事
 安全であるということだけでよろしいかと思っております。健康上全く問題のない数値であるわけですので、詳細な数値を出したところで消費者の皆さんは理解ができないわけでありますから、安全か安全でないかということだけはっきりと証明すれば十分だというふうに思っております。正式には、牛肉の放射性物質検査結果通知書といったような形で添付をしたいと考えております。(1キログラムあたり)500ベクレル以下であるということであります。その証明書がついていれば(1キログラムあたり)500ベクレル以下で、どれだけ食べても全く問題がないということであります。
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「詳細な数値を出したところで消費者の皆さんは理解ができない」とは恐れ入る。よくぞここまで平然と言ってくれるものだ。我ら消費者はそれほどまでに愚民なのか。それほどまでに「風評」とやらに踊らされる鼻持ちならない奴らだということなのか。

暫定基準値にしても、年間20mSvの内部被曝を前提としたものであり、どれだけ食べても全く問題がないというのは明らかな間違いだ。これに対して全く追及もしない記者クラブメディアも完全に死んでいる(私は、今回の原発震災における最大の敗者は、実は記者クラブメディアだと思っているが、それに対する論評は別の機会に譲る)。

いずれにせよ、この発言に怒らなければ認めたことになる。宮城県民よ、決起せよ。

●自衛隊、松下政経塾出身―戦争と新自由主義路線の権化

この知事の経歴を見てみよう。大阪府豊中市生まれ。1984年3月、防衛大学校を卒業し、同年4月から自衛隊へ。1992年に退官後、松下政経塾に入塾し、1995年卒業…。

戦争と新自由主義を絵に描いたようで、経歴を見るだけでも吐き気がするが、この知事は自治体のトップとしてもこの経歴にふさわしい(?)数々の愚行を続けてきた。そのいくつかをご紹介しよう。

(1)県民監視のファシズム体制
2011年1月、村井知事は、性犯罪の前歴者などに衛星利用測位システム(GPS)端末の常時携帯義務付けやDNA提出などを義務づける県条例の改正を行う方針を表明した。当然ながらこの方針は「監視社会化」だとして県民の反発を呼び起こした。河北新報(2011.1.23付け)によれば、仙台市内の女性は「人間同士の信頼感をなくす表面的手法」と反発している。そのほかにも「プライバシーの侵害」「独裁国家のようだ」「監視すれば物事が解決できると考えるのはあまりに安易」と県民からの評価は当然とはいえ、最低だった。

(2)避難所に食料も届かない県民がいる中、被災者そっちのけで増税を推進

宮城県が気仙沼市など沿岸7市6町の避難所332カ所を対象に4月に行った栄養量調査によると、9割でカロリーが不足し、7~8割でタンパク質とビタミンが欠乏していた。震災から2カ月近く経っても、宮城県では多くの避難所で食事の絶対量が不足し、提供量は1日平均1546キロカロリー。厚生労働省の摂取目標(2千キロカロリー)の77.3%にとどまっているという実態があった(2011年5月7日付け「河北新報」社説)。避難所によっては、5月になっても1日3食配布されないところも見受けられたという。

避難者がこのような困窮の中に置かれているときに、村井知事は菅政権が立ち上げた「復興構想会議」のメンバーとして、ほとんど地元を留守にしていた。しかも、このとき村井知事が東京で議論していたのは復興増税である。震災で家も仕事も失った被災者を援助するどころか、村井知事は新たな負担さえ課そうとしているのだ。

この復興増税構想は、さすがに達増拓也・岩手県知事の反対により先送りとなったが、村井知事はまだ導入をあきらめていない模様だ。

(3)農林漁業をグローバル資本に売り渡す「特区構想」を推進

村井知事が震災の「復興」を名目に打ち出したのが「水産業特区」構想である。これは、壊滅的被害を被った漁業再建のために特区を設けるというものだが、その狙いはずばり水産業への民間企業(株式会社)の参入だ。震災のどさくさに紛れ、かねてからの野望だった「農林漁業の資本への売り渡し」を実現しようとするものである。

漁業者は当然、これに強く反対したが、抵抗は思わぬところからも出た。県議会で自民党議員が相次いで反対を表明したのだ。「収益性の高い水産業を目指すなら、漁業者の主体性と理解をベースに進めるべきだ」(須田善明議員)、「なぜ平時ではないこの時期に出るのか。漁業者は船も漁具もなくした。特区を言えば言うほど漁業者の元気はなくなる。多額の債務を何とかすることが大事だ」(仁田和広議員)などの理由で特区構想を批判した。

一方、農業関係の書籍を多数出版してきた農文協は、2011年9月号の「農文協の主張」で、特区構想に対し、より本質的な批判を加えている。特区構想は「規制緩和路線」であり、漁業の集約化とは、(ある漁民の漁具を捨てさせ、それを一部の漁民に集約するという意味において)「農業・漁業をあきらめる」人をつくる政策であり、「経団連の火事場泥棒的「復興・創生」プラン」であると看破している。ぜひ農文協のこの主張に耳を傾けていただきたい。

●出るべくして出た暴言

以上、村井・宮城県知事の数々の愚行を紹介した。石原都知事・橋下府知事も真っ青の監視・ファシズム路線、住民不在の増税路線、宮城県の貴重な産業であり命の源泉である第一次産業を経団連に売り渡す新自由主義路線…。我々が批判し、徹底対決しなければならないすべての醜悪な路線を体現し、突き進んでいるのが村井嘉浩という男なのだ。冒頭に紹介した消費者を愚民扱いする暴言も出るべくして出たと言うべきだろう。

被災地という特殊事情はあるにせよ、これらの愚行の数々は、もはや私の受忍限度をはるかに超えている。この未曾有の事態にこのような知事しか持ち得なかった宮城は不幸と言うしかないが、一方、このような人物を選んだ宮城県民にも責任がある。宮城県政を県民の手に取り戻すために、このような不遜な男はただちに追放してもらいたい。

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【重要】昨日の記事に対する反論への回答

2011-09-04 18:19:53 | 原発問題/一般
昨日公表した、【重要】文部科学省による土壌モニタリング結果公表~福島市はやはり強制避難レベルだったに対して、「チェルノブイリでの避難区域は放射性セシウム137の数値だけを当てはめて決定されたものであり、放射性セシウム134を含めて計算するのはおかしい。脱原発派ならそのくらい認識していないと原発推進派の笑いものになる」という趣旨の批判がツイッター上で寄せられた。みずからを脱原発派と名乗る人からの「内部批判」であり、建設的な批判でもあろうかと思うので、これに対する回答として私の考えを示しておきたい。

まず、前提として次の3つの事実を挙げる。

1.チェルノブイリでは、放射性セシウム134と137の比率は1:2であったのに対し、福島ではこの比率はほぼ半々と推定されている(参考資料)。

2.放射性セシウム134の半減期は2年、137は30年である。

3.ウクライナで住民の避難基準が作られたのは事故から5年後の1991年に入ってからである。

ウクライナ政府が避難基準を作ったのは1991年である。この時点で事故から5年が経過しており、(原子炉から環境中への新たな放射能漏出がないと仮定すれば)、セシウム134は事故直後の4分の1以下に減少しているはずである。しかも、1及び2から推定されることは、避難基準が作られた当時、放射性セシウム134の量は、セシウム137に比べて10分の1以下に減少していたと推定される(セシウム137は5年間ではあまり減少しない)。ウクライナ当局は、この時点で「セシウム134については考慮する必要がない」と考え、セシウム137の量だけで避難区域を決めたのではないかと想像できる。

これに対し、福島は放射性セシウム134と137の比率がほぼ半分である上、事故直後の段階であり、半減期が短いセシウム134もまだ環境中に多く存在している。しかも、放射能の環境中への漏出は止まっていないのだから、いくらセシウム134の半減期が短いといっても、想定通りの速度で環境中の放射能濃度が低下するかは全くわからないのである。

セシウム134が大量に環境中に存在し、しかも原発から新たな放射能が供給され続けている現時点の福島で、チェルノブイリのようにセシウム134を除いた値で避難基準を決定することが合理的なのか、という疑問は当然、提起されなければならないだろう。

私はこの問いに適切でないと答える。住民防護の観点からすれば、すでに目の前に存在するとわかっている危険をあえて除外することは害悪でしかない。最大限、判明している危険を基準に避難基準を決めることが最も望ましいのだ。

私としては、以上の理由から「福島市は強制避難レベルにある」という結論を変更する必要はないと考えている。

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【翻訳記事】「日本の住民の健康危機」/IPPNW(核戦争防止国際医師会議)記者会見

2011-09-04 17:48:16 | 原発問題/一般
原文はこちら

IPPNW(核戦争防止国際医師会議) 記者会見

「日本の住民の健康危機」

ベルリン:2011年8月15日、午前11時

IPPNW(核戦争防止国際医師会議)
医学博士 ヴィンフリード・アイゼンベルクの見解:小児科医 青少年医学、IPPNWの核エネルギー・研究チーム

従来 日本では、主に土壌中のセシウム137の放射能汚染と環境中のガンマ線による外部被曝の数値が、使用されている。けれどもそれよりもずっと重要なのは、呼吸する空気、飲食を介して放射線核種を摂取した結果、長期的に内部被曝に曝されることである(体内被曝)。

私は、小児科医であるので、とりわけ日本の東北地方の子どもたちの危険について、立ち入って議論する。成長期にある有機組織は、成長の終わった有機組織よりも細胞分裂の頻度が高いため、子どもたちは、大人にくらべて何倍も放射能感受性が高い。細胞分裂期の細胞は、(これは疑問の余地がないことだが)平穏期の細胞よりもイオン化された放射線によってはるかに強く危険にさらされる。子どもが、小さければ小さいほど、成長は早く、細胞分裂の数は、多い。つまり、最初の妊娠12週の胎児の胚は、もっとも大きな放射線による損傷リスクを背負っている。一つの胚にとってこれより下なら危険はないという限界値は、存在しない。また赤ん坊、幼児、児童も、成人に比べて、放射能によって著しく強く危険にさらされている。

こうした関連において、IPPNWは、日本政府は、さもないと多くの地域で、幼稚園や学校を閉鎖しなければならなくなるという理由で、行政当局が2011年4月20日に幼稚園の園児と児童の年間被曝量を20ミリシーベルトに上げてしまったことを非難する。20ミリシーベルトは、我が国もそうであるが、たいていの国において核施設の従事者の上限値に該当する。一般人にとっては、該当する放射線値は、年間1ミリシーベルトである。公的に子どもたちに年間20ミリシーベルトを強要することは、我々の見解からしても責任の負えないことである。

われわれの医師組織は、日本においても核施設からの放射能の漏出の限界値を再び年間1ミリシーベルトに確定するように要求する。妊娠している人や子どものいる家庭は、この放射能限界値を超えた地域から避難しなければならない。破損した原発からの距離との関連のみで、避難区域を定義することは、健康管理の諸条件にかなわない。

グリーン・ピース等による多くの測定によって確かめられた海水、魚、土壌、農産物の放射線含有量に基づけば、日本の東北地方においては来年中に 放射能に起因する多様な疾病が生ずることを覚悟しなければならない。チェルノブイリ後に北ウクライナと南ベラルーシで観察された諸事例に照らして、福島県で暮らしている、現在0歳から5歳の子どもたちは、おそらく3-5年後には、甲状腺ガンの増加に見舞われるだろう。境を接した宮城県、岩手県、山形県、新潟県、群馬県、栃木県、そして茨城県の子どもたちも、福島第一原発からの距離や風向き降雨に応じて、罹病率は減ることはあったとしても、同様に(病気に)襲われるだろう。勿論放射線被曝にあっては年齢と共に、潜伏期は増すものではあるが、現在比較的年長の子どもたち、若者、成人においても、より頻繁に甲状腺ガンという診断がくだされるであろう。時期を得たヨード剤の服用は、地震と津波のために、準備されていなかった。ヨード剤は、少なくと放射能と接触する数時間前、できれば1-2日前に投与される時にのみ、甲状腺を保護する。後になって安定したヨード剤を投与しても、もはや役に立たない。

該当する地域での子どもたちの白血病もおそらく、すでに2016年から、はっきりとより頻繁に現れてくるであろう、と懸念される。白血病(血液のガン)は、他のガン種に比べてイオン化された放射線と強い相関関係がある。2011年12月以後に予想される新生児にあっては、チェルノブイリ後に記録されている染色体異常と先天性の奇形の増加を、覚悟せねばならない。

これ以降の年月には、福島周辺では、子どもたちばかりでなく、すべての人が、放射能の結果に悩むことになろう。放射能は、決してガンや遺伝上の突然変異ばかりでなく、ガンではない様々な疾病、たとえば、免疫の機能不全、心臓病、脈管疾患、神経医学的疾患、内分泌系の疾患、早い老化の原因となる。

食品や水から放射性の核分裂生成物を摂取してしまうことから住民を守るためには、信頼できる、持続的な測量が必要である。行政当局は、この任務を明らかに十分なやり方では、果たしていない。さらに、人々は情報操作に関して過去に何ヶ月かに体験したすべてのことから判断して、行政当局の測定結果をもはや信じていない。

オーストラリアのIPPNWの医学者で、メルボルン大学のティルマン・ラフ教授は、数日前、福島を訪れた際に、放射能と健康についての情報に、大きな欠陥があることを身を持って知った。市民たちは、どうしたら被曝を少なくできるのかについて、とくに助言を求めてきた。なるほど人々は、更なる避難が必要だろうと思ってはいたが、彼らは、長期的に帰って来られないことを分かっていなかった、という。

ティルマン・ラフは、著しく汚染された地域の住民と福島第一原発のすべての作業員の包括的な記録簿を要求する。記録簿は、個人の被曝量のグラフを含むべきで、また持続的な健康の監視も計画に入れるべきである。すべてのデータと結果は、独立系の国際的な専門家によって鑑定され、時をおかず公表されるべきである。

独立した測定を保証するために、IPPNWは、「47プロジェクト」の目標を支援し、できるだけ早く各県に独立した測定所が、設置がされるように尽力するだろう。IPPNWのドイツ支部は、連帯の証として、また独立した測量が、住民のしあわせのために必須であると確信して、47プロジェクトに5000ユーロを用立てることを決定した。われわれは、それによって更なる測定所を、設置できることを願っている。

 ヴィンフリード・アイゼンベルク博士

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