安全問題研究会(旧・人生チャレンジ20000km)~鉄道を中心とした公共交通を通じて社会を考える~

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核のない未来を願って 松井英介遺稿・追悼集(緑風出版)

●安全問題研究会が、JRグループ再国有化をめざし日本鉄道公団法案を決定!

●安全問題研究会政策ビラ・パンフレット
こんなにおかしい!ニッポンの鉄道政策
私たちは根室線をなくしてはならないと考えます
国は今こそ貨物列車迂回対策を!

【速報】青森県で震度5強

2012-05-24 21:23:12 | 気象・地震
平成24年5月24日00時02分頃の青森県東方沖の地震について(気象庁報道発表)

青森県東北町で震度5強を記録した地震について、気象庁は、意外にも3.11とは無関係との立場を取っているようだ(報道発表のタイトルが「東北地方太平洋沖地震について(第○報)」になっていない)。震源深さが50kmであり、3.11(10km)より深いこともあるのかもしれない。当ブログとしては、昨年3月11日の東日本大震災の広い意味での関連地震と考えているのだが。

発表された震源はプレート境界よりやや内側の北米プレート内部とも、プレート境界上とも判断できる微妙な位置である。発震機構は逆断層型(3.11と同じ)で西北西-東南東方向に圧力軸を持つ。プレート境界より内側であること、逆断層型であることから考えて、近い将来発生が噂されているいわゆる「アウターライズ地震」ではない。

ただ、20日のエントリで示したように、三陸沖での地震活動が活発になっている上、この海域は3.11で揺れ残っている部分でもあり、今しばらくは警戒を続けて欲しい。

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趣味誌の世界からの貴重な意見書をどう見るか~鉄道誌とバス誌の違い

2012-05-24 20:08:10 | 鉄道・公共交通/趣味の話題
当ブログ管理人が鉄道雑誌のあり方に疑問を抱いていることは、過去ログでお伝えしてきたとおりだが、鉄道雑誌に代わってバス雑誌である「バスラマ・インターナショナル」をしばらくの間、購読してみようかと思い立った。

きっかけは、国土交通省「バス事業のあり方検討会」の報告書が取りまとめられ公表されたことだ。4月29日、関越道で起きたバス事故以前から検討会は重ねられ、今回、高速ツアーバスも高速路線バス同様、道路運送法を適用する規制強化の方向で報告がまとめられたのだ。

この検討会には、バスファン向けの趣味誌「バスラマ・インターナショナル」編集長である和田由貴夫さんが委員として参加してきた。最終報告書が取りまとめられるに当たり、和田編集長が検討会に対し、意見書を提出しているが、「今こそ、バスのあり方の検討を」と題した意見書の内容が、大変すばらしいのだ。

「バス事業における需給調整規制の廃止以降、採算部門による内部補填は必要なしとする意見が定着したが、…(中略)…公共性が高いバス事業に関しては規制緩和という前提条件の正否も議論の俎上に上げるべきではないだろうか」

「都市におけるバス交通のコスト評価も事業者の内部ではなく、都市環境や輸送環境など社会性に重きを置いた評価軸が必要」

「バスの安全は制度が保障するものではなく、最終的にはドライバーに委ねられているという事実は、安全教育に厳しい事業者や現場には共通した認識である。本委員会にも労組の代表が参加し有益なご意見を述べられたが、近年は大手事業者が非採算部門を子会社に委託する例が多く、そこで働くドライバーには組合がない例が多い。その人々は津波で防潮堤が破壊された沿岸部で仕事をしているようなものである」

「利用者にとってのバスは、…(中略)…「健康で持続可能=ロハス」が前提だが、日本のバス業界は、残念ながら現場のドライバーを含めて歯を食いしばって懸命に維持している実情にある。「年始も祝日も勤務があり、休暇が取りにくい。拘束時間が長いが賃金は安い」という産業が「健康で持続可能」といえるのだろうか。利用者の立場では、よりよい生活の道具の喪失が懸念される。都市における公共交通、ここでいう経済的なバス交通の衰退は環境問題を含めた社会のコストアップに直結する」

これらの指摘は、まさに長年に渡って日本におけるほとんど唯一のバス専門誌として業界を見つめ続けてきた人だからこそ言えることであろう。安全問題研究会の問題意識とも一致しており、中途半端な「自称専門家」など足元にも及ばない、バスとバス事業に対する「愛」をそこに見ることができる。好きなればこそ、愛のムチを振るわなければならない、そんな惨状の中にあるバス事業に対する忸怩たる思いがストレートに伝わってくる。

率直に言って、彼のような人材が鉄道雑誌の世界にひとりでもいれば、鉄道の現状は安全をより強化する方向へ大きく変わるであろう。月刊誌だけで5誌もの雑誌がありながら、彼のように社会性を持ち、発言できる人材がいないことが鉄道趣味誌の世界における大きな不幸だということができる。

今回、和田編集長の意見書に感動したので、私は「バスラマ・インターナショナル」をしばらくの間購読してみようと思う。

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