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【転載記事】フクシマにおける甲状腺癌ー原子力大惨事の最初の可視的インパクトか?

2013-09-11 22:12:06 | 原発問題/一般
英語原文

IPPNW(核戦争防止国際医師会議)ドイツ支部プレス・インフォーメーション

フクシマにおける甲状腺癌ー原子力大惨事の最初の可視的インパクトか?
( 日本語訳:グローガー理恵氏)

2013年 9月 3日

IPPNWは、損壊されたフクシマ原子炉で放射線被爆線量が激烈に上昇したことを、多大な懸念をもって見守っている。また、健康被害を顧慮してみても警報解除への根拠がないのである。

それどころか: IPPNWは、福島県の18歳未満の子供たちにおける甲状腺癌罹患数の愕然とさせられるような増加に、「今後何年かの間に、異例の甲状腺癌罹患数の増加が期待されるもの」として、危惧感を高めている。原子力災害が始まってから2年半後、甲状腺癌罹患数が18件に増えた。更に、癌の疑いがあると見られる25人の子供(18歳未満)たちは、これまでのところ未だ(摘出)手術を受けていない状況である。

未だにフクシマにおける実際の甲状腺ガン罹患数に関しての、はっきりとした全体像はない。現在までの時点で、福島県では計192,886人の子供たちを対象にした甲状腺癌検診が行われた。医師たちは、超音波検査で、(検診を受けた子供たちの)およそ44%に疑わしい甲状腺の異常を発見した。

福島県内にある他の隔たった市町村からの100,000人以上の子供たちは、未だに、最初の一次検査を待っている状態である。疑わしい甲状腺異常が発見された1,280人の子供たちが再び二次検査へと出頭されたが、これまでのところ、その内の655人は未だに二次検査を受けていない。

ここで特に憂慮すべきことは、郡山における状況である。:  郡山では、最初の一次検査で疑わしい甲状腺異常が検出された442人の子供達が二次検査へ出頭となった。しかしながら、今迄のところ、これら442人の子供達の内、ただの5人だけが二次検査を終了したのみである。そして、これら5人の内2人が悪性の甲状腺ガンに罹患していることが確定された。原発事故後、日本政府は役所にヨー素剤を配布するようにとの指図をすることを怠った。

IPPNWは、フクシマにおける甲状腺ガンの高い罹患率を、所謂「スクリーニング効果」のせいであるとする日本の科学者たちの分析に対して異議を申し立てる。そのような(スクリーニング)効果 とは、集団スクリーニングによって発見された罹患の率が、一般住民における(病気の)症状を通して普通は明らかになる罹患率よりも高い場合のことを謂うのである。

IPPNWは、フクシマにおいて、チェルノブイリ最大想定事故後のように、多年にわたって、継続的に甲状腺ガン罹病率が増えていく可能性が強いと、みなしている。

「甲状腺ガンに罹った子供達は、甲状腺が全摘出されなければならない複雑な手術を受けなければならない。更に、摘出手術を受けた子供達は、定期的に血液検査を受ける方法によって正確に調整された甲状腺ホルモン剤を一生、服用していかなければならない。ま た、そればかりではなく、甲状腺ガンが再発するケースは稀でないため、アフターケア検診を定期的に受けなければならなくなる。」と、小児科医であるアレックス・ローゼン博士(IPPNW)は説明する。甲状腺ガンに対する良い治療選択はあるにもかかわらず、甲状腺ガンを患った子供を持つ家族にとっては、苦しい、運命の打撃となってしまうのである。

更に、甲状腺ガンだけが放射線被爆によってもたらせられる健康被害ではない。それ以外にも、白血病、固形腫瘍、他種のガン、免疫システムの低下、妊娠合併症、先天性奇形、流産が、フクシマにおいて発生するものと予測されている。それ故に、緊急に、日本における健康調査範囲を他の人口グループや、(放射線被爆によって誘発される)他の罹病可能性ある疾病検査に拡大していかなければならない。

以上

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