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【転載記事】甲状腺がん症例数がさらに増加 フクシマ原子力災害による健康被害

2015-03-22 12:30:20 | 原発問題/一般
この記事は、すでに1月に発表されていたもので、他サイトには2月頃掲載されたものです。遅くなりましたが、当ブログ読者にとって大切な内容を含むので、掲載します。IPPNW(核戦争防止国際医師会議)の発表で、翻訳はグローガー理恵さん。

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甲状腺がん症例数がさらに増加 フクシマ原子力災害による健康被害

福島で甲状腺集団スクリーニングの最新データが公表された。データは初めて、日本の子供たちにおける甲状腺がんの新規症例数の増加を示している。最初の一巡目のスクリーニング(先行検査)の枠内で既に、84人の子供たちに甲状腺がん診断が確定され、その中の一部には既に転移が見られた。その結果として、これらの子供たちにおいて甲状腺の部分的摘出手術が実施されなければならなかった。さらに、24人の子供たちに、「がんの疑いあり」との細胞診の結果が出ている。これまでのところ、日本の当局は、これら全ての症例は所謂「スクリーニング効果 (独語:Screeningeffekt)」に起因するものであるとしている。「スクリーニング効果」とは、まだ臨床症状がなく、もっと後になった時点になってから初めて臨床症状が出たであろうという症例が、集団スクリーニングで発見されることの知見を説明する用語である。

しかし今、最初のスクリーニング(先行検査)で既に把握されていた子供たちにおける再検査(本格検査)の最初のデータがある。これまで、60,505人の子供たちに再検査が実施され、その内の57.8%に結節もしくは嚢胞が見つかった。最初のスクリーニング(先行検査)において、これらの(結節もしくは嚢胞が見つかった)割合は、まだ48.5%であった。これを具体的な数値で表すと:最初のスクリーニング(先行検査)においては、まだ何の異常も見つからなかった12,967人の子供たちに、現在、再検査(本格検査)で、嚢胞と結節が確認されたということである。しかも、その内の127人に見つかった嚢胞/結節のサイズが非常に大きいため、さらなる解明が緊急に必要とされている。

また、最初のスクリーニング(先行検査)で小さな嚢胞もしくは結節が見つかった206人の子供たちの再検査において、非常に急速な(嚢胞/結節の)増大が確認されたため、さらなる診断検査が始まった。目下のところ、これらの子供たちの内11人に穿刺吸引細胞診がなされ、今、その中の4人にがん疾患の‘強い疑い’がある。これら(4人)のケースにおいて、がん疾患の診断が確定されるのであれば、もはや、この事を「スクリーニング効果」で理由づけることはできなくなる。なぜなら、これは、過去2年間の間に発生した新規症例に関わる問題となってくるからである。

「確かに、原子力災害による長期的な健康影響を評価できるには、まだ時期が早過ぎますが、これらの最初の検査結果は確かに憂慮すべきことです」と、IPPNW副会長、アレックス・ローゼン(Alex Rosen)医師は説明する。

「これまでのところは、まだ再検査結果の部分的なデータのみが提供されているだけです。チェルノブイリからの経験に基づきますと、甲状腺がんの疾患数が、さらに長年に亘り増加していくことになるでしょう。」

UN(UNSCEAR)によって出されたデータに従えば、フクシマ原子力災害がもたらす健康影響として1,000件以上の甲状腺がん症例数が予測されている。一方、UNは彼らの算定を疑わしい仮定に基づかせているため、実際に予期される症例数は、多分、その何倍も高い数値となる。

同時に、甲状腺がんは、放射能汚染が人々に及ぼす健康影響のほんの僅かな一部を提示しているに過ぎない:過去の原子力事故の体験に基づけば、(1)白血病、(2)リンパ腫、(3)固形がん、(4)心臓血管系疾患、(5)ホルモン障害、(6)神経障害、(7)精神障害などの罹患率の上昇が予測される。さらに、精神的外傷や当局に失望させられ、放置されたという感情が及ぼす心理社会的な影響を無視することはできないということが、付け加えられる。

福島や日本におけるその他の放射能汚染地域の人々が緊急に必要としているのは:

(1) 包括的な医療支援/アドバイス

(2) それぞれの人々の必要に適合した透明な健康診断の提供

(3) その提供された健康診断によって、疾病を早期発見し早期治療できるようにすること

(4) 患者が自分たちの健康診断の結果にアクセスできるようにすること

現在、日本では、これら全ての事柄が存在していない。IPPNWドイツ支部は当局責任者に訴える:「被災者になおこれ以上の健康被害が発生することを防ぐために、必要な措置を講ぜよ」と。

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