2020年、元日もすでに深夜となりました。遅れましたが、新年のご挨拶を申し上げます。
東京オリンピックが開催される年が、ついに明けました。今年前半から7月までは、オリンピック一色で、他の話題は軒並み飲み込まれ、押しつぶされていくでしょう。こうした「五輪独裁」は他の開催国にも過去に見られたことで、「五輪が通れば道理引っ込む」的状況は、よくないと当ブログは考えています。
とはいえ、世間のごまかしだらけの「復興」ムードに抗するのも、必要とするエネルギーが大きすぎて難しいと思います。今年、当ブログと安全問題研究会は、本当の政治的勝負は五輪後の後半に来ると考えていますので、その時期に向け上半期は力を蓄えたいと思います。オリンピックに対しては、「日本にとって最後の宴。騒ぎたい者には勝手に騒がせておけ」とシニカルに構えます。反対の方針は貫きますが、エネルギーはここには割きません。
2019年、東京電力福島第1原発事故と「アベ友」山口敬之氏による伊藤詩織さんレイプ事件という2つの重大事件がいずれも無罪判決となったことで日本の国際的信用は決定的に地に墜ちました。国際社会の日本への目は厳しさを増しており、女性の人権状況が中東・アフリカ諸国並みの国、レイプ魔も原発事故を起こした企業も無罪になる国、一方で年末に「亡命」(当ブログはあえてこのように呼びます)したカルロス・ゴーン氏のように、政府が「敵」とみなした人物は罪をでっち上げられ徹底的に潰される国、との評価が定着しつつあります。このことが与える影響は日本人が思っている以上に深刻だといえます。
東京五輪後の日本は「先進国」から途上国に格下げされると思います。「日本が“先進国”だった期間は1964年東京五輪から2020年東京五輪までである」--後世、世界の歴史家は必ずそのように日本を評価するでしょう。
さて、そんな折、意外な人物の消息が伝わってきました。
年越し派遣村から約10年…いま「ネトウヨ」と呼ばれる男の過酷人生
パナソニックと闘った「ハケンの男」の壮絶すぎる半生
いずれも現代ビジネスの記事ですが、ここに登場する「今年、46歳となる岡田正雄(仮名)」なる人物を当ブログ管理人は知っています。「岡田」氏がパナソニックプラズマディスプレイ社との間で起こした争議を、支援する立場にあったからです。
「岡田」氏は「賃金を支払う者と業務指示を出す者が異なる派遣労働という働き方はおかしい」として派遣労働制度の廃止と直接雇用を求め、パナソニックプラズマディスプレイ社を相手に、最高裁まで闘いましたが敗れました。
しかし、彼の闘いは2つの大きな成果を生みました。ひとつは偽装請負問題の存在を明るみに出したこと。例えば、A社がB社との間で請負契約を結び、B社から労働者を供給してもらっているとき、B社労働者に対してA社は直接業務指示をできません(業務指示をできるのはB社という「企業」に対してだけ)が、実際には請負契約でありながらB社の「労働者」に直接業務指示をする「偽装請負」が蔓延していました。「岡田」氏はこれを明るみに出したのです。
結果的に、「岡田」氏の闘いは、同一の企業で5年間継続して働いた派遣労働者には正社員申し込み権が発生する、とした労働契約法の改正につながりました。これが2つめの成果です。
「岡田」氏はもともと思想的には保守的な人物で、当時、彼を支援していた労働運動・労働組合関係者もそれを知りながら受け入れたという経緯があります。したがって当ブログ管理人は、彼の保守的な思想について今さら問題にする気はありません。「岡田」氏は個性的ですが思われているほど悪人ではありません。いわゆる「地頭の良い」タイプで、仕事の飲み込みは早く、手先が器用で、機械関係は彼の天職と思います。『岡田が「ネトウヨ」と呼ばれるほど、排外的な思想を持ち合わせているとは筆者は思わない』とするこの記事のライター、藤岡雅さんの見解にも当ブログ管理人は同意します。
彼の消息はまったく知れませんでしたが、今回、都内で非正規労働者の立場ながらもきちんと働き、収入を得て自活していることが確認できたのはよかったと思います。かつて「岡田」氏を支援してきた者のひとりとして、彼の今後の人生に幸多くあることを願っています。
では、今年も当ブログと安全問題研究会をよろしくお願いいたします。
東京オリンピックが開催される年が、ついに明けました。今年前半から7月までは、オリンピック一色で、他の話題は軒並み飲み込まれ、押しつぶされていくでしょう。こうした「五輪独裁」は他の開催国にも過去に見られたことで、「五輪が通れば道理引っ込む」的状況は、よくないと当ブログは考えています。
とはいえ、世間のごまかしだらけの「復興」ムードに抗するのも、必要とするエネルギーが大きすぎて難しいと思います。今年、当ブログと安全問題研究会は、本当の政治的勝負は五輪後の後半に来ると考えていますので、その時期に向け上半期は力を蓄えたいと思います。オリンピックに対しては、「日本にとって最後の宴。騒ぎたい者には勝手に騒がせておけ」とシニカルに構えます。反対の方針は貫きますが、エネルギーはここには割きません。
2019年、東京電力福島第1原発事故と「アベ友」山口敬之氏による伊藤詩織さんレイプ事件という2つの重大事件がいずれも無罪判決となったことで日本の国際的信用は決定的に地に墜ちました。国際社会の日本への目は厳しさを増しており、女性の人権状況が中東・アフリカ諸国並みの国、レイプ魔も原発事故を起こした企業も無罪になる国、一方で年末に「亡命」(当ブログはあえてこのように呼びます)したカルロス・ゴーン氏のように、政府が「敵」とみなした人物は罪をでっち上げられ徹底的に潰される国、との評価が定着しつつあります。このことが与える影響は日本人が思っている以上に深刻だといえます。
東京五輪後の日本は「先進国」から途上国に格下げされると思います。「日本が“先進国”だった期間は1964年東京五輪から2020年東京五輪までである」--後世、世界の歴史家は必ずそのように日本を評価するでしょう。
さて、そんな折、意外な人物の消息が伝わってきました。
年越し派遣村から約10年…いま「ネトウヨ」と呼ばれる男の過酷人生
パナソニックと闘った「ハケンの男」の壮絶すぎる半生
いずれも現代ビジネスの記事ですが、ここに登場する「今年、46歳となる岡田正雄(仮名)」なる人物を当ブログ管理人は知っています。「岡田」氏がパナソニックプラズマディスプレイ社との間で起こした争議を、支援する立場にあったからです。
「岡田」氏は「賃金を支払う者と業務指示を出す者が異なる派遣労働という働き方はおかしい」として派遣労働制度の廃止と直接雇用を求め、パナソニックプラズマディスプレイ社を相手に、最高裁まで闘いましたが敗れました。
しかし、彼の闘いは2つの大きな成果を生みました。ひとつは偽装請負問題の存在を明るみに出したこと。例えば、A社がB社との間で請負契約を結び、B社から労働者を供給してもらっているとき、B社労働者に対してA社は直接業務指示をできません(業務指示をできるのはB社という「企業」に対してだけ)が、実際には請負契約でありながらB社の「労働者」に直接業務指示をする「偽装請負」が蔓延していました。「岡田」氏はこれを明るみに出したのです。
結果的に、「岡田」氏の闘いは、同一の企業で5年間継続して働いた派遣労働者には正社員申し込み権が発生する、とした労働契約法の改正につながりました。これが2つめの成果です。
「岡田」氏はもともと思想的には保守的な人物で、当時、彼を支援していた労働運動・労働組合関係者もそれを知りながら受け入れたという経緯があります。したがって当ブログ管理人は、彼の保守的な思想について今さら問題にする気はありません。「岡田」氏は個性的ですが思われているほど悪人ではありません。いわゆる「地頭の良い」タイプで、仕事の飲み込みは早く、手先が器用で、機械関係は彼の天職と思います。『岡田が「ネトウヨ」と呼ばれるほど、排外的な思想を持ち合わせているとは筆者は思わない』とするこの記事のライター、藤岡雅さんの見解にも当ブログ管理人は同意します。
彼の消息はまったく知れませんでしたが、今回、都内で非正規労働者の立場ながらもきちんと働き、収入を得て自活していることが確認できたのはよかったと思います。かつて「岡田」氏を支援してきた者のひとりとして、彼の今後の人生に幸多くあることを願っています。
では、今年も当ブログと安全問題研究会をよろしくお願いいたします。