人生チャレンジ20000km~鉄道を中心とした公共交通を通じて社会を考える~

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核のない未来を願って 松井英介遺稿・追悼集(緑風出版)

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こんなにおかしい!ニッポンの鉄道政策
私たちは根室線をなくしてはならないと考えます
国は今こそ貨物列車迂回対策を!

尼崎事故遺族経営の店がミシュランに掲載

2009-10-14 21:40:48 | 鉄道・公共交通/安全問題
さて、このところ尼崎脱線事故を巡る事故調報告書漏洩問題を集中的に取り上げている影響で、当ブログを書いている私自身がとても肩が凝る。読者の皆様もおそらく肩が凝る展開になっていると思う。そんな中で、尼崎事故被害者にとって嬉しいニュースが飛び込んできたので紹介する。尼崎事故に関連した話題なので「鉄道(安全・交通政策)」カテゴリで取り扱う。

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ミシュランガイド:「京都・大阪」 庶民の味、出る幕なし 伝統の京料理「チャンス」(毎日新聞)

 ◇脱線事故で妻を亡くした夫経営--一つ星「ながほり」
 一つ星を獲得した大阪市中央区上町1の「ながほり」は、JR福知山線脱線事故で妻道子さん(当時40歳)を亡くした中村重男さん(51)が経営する居酒屋。昨年夏、現在の場所に移転して1年余りでの“栄誉”に中村さんは「店を始めて四半世紀、続けてこられたのがうれしい。妻に認められるためにがんばってきた」と語った。

 84年から同区内の別の場所で店を経営していたが、05年の事故を機に生活が一変。一時は「店を畳もうか」とも考えた。しかし、家事のかたわら会社勤めもした頑張り屋の道子さんの努力を思い、踏みとどまり、新たな顧客も開拓して繁盛させた。【大沢瑞季】
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尼崎事故の遺族が経営する居酒屋「ながほり」が、ミシュランガイド京都・大阪2010で一つ星を獲得した。事故で亡くなった店主・中村重男さんの妻・道子さんは、「4.25ネットワーク」世話人の藤崎光子さんの娘さんでもある。

もともと「ながほり」は「ぐるナビ」などのサイトで常に人気店にランクされるなど、大阪では知られた存在だった。常に満員状態で、現状でも予約なしでの入店はまず不可能という状況にあるが、今回のミシュラン掲載で入店がさらに困難になることは間違いない。お店を訪れ、中村重男さんにもお会いしたいと思っているが、実現は当分先になりそうだ。

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上信電鉄乗りつぶし

2009-10-11 21:07:13 | 鉄道・公共交通/趣味の話題
昨夜、大阪で所用を済ませた後「サンライズ出雲・瀬戸」で東京に移動。この日朝到着し、夕方まで首都圏で中途半端な空き時間があったので、かねてから乗ってみたかった上信電鉄に行くことにする。

上野へ行き、そこから高崎線快速に乗る。JR福知山線事故報告書の事故調からの漏洩問題に関する依頼原稿を車内で書きながら高崎に10時30分頃到着。いよいよ上信電鉄に乗り換える。

上信電鉄は、高崎から下仁田を結んで走る地方私鉄だ。単線で、走ってみると線形の悪い箇所もあるものの、主要区間は時速80km程度の速度で走る。地方私鉄としてはまずまずの速度だ。

下仁田に向かうにつれ、標高が上がり、秋の山々が色合いを増してゆく。終点を前にした山あいの信号場で上り列車と交換する。色づいた山の中でしばし休息する列車と乗客。こんな光景に出会うたび、もっと早く来ればよかったと思う。ローカル線の旅は、だからこそやめられないのだ。

約1時間で終点、下仁田に着く。折から地元神社の祭りが行われており、御輿が町内を練り歩く様子を見ることができた。

下仁田で群馬名物のこんにゃくを買い、12時頃の列車で下仁田を後にする。2時間かかって東京に戻り、所用を済まして帰途につく。

【完乗達成】上信電鉄

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【尼崎事故】事故調報告書検証チーム 遺族も参加し発足へ

2009-10-09 23:54:10 | 鉄道・公共交通/安全問題
JR脱線事故、報告書 検証チームに遺族 月内発足、情報漏洩受け(産経新聞) - goo ニュース

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 JR福知山線脱線事故の調査報告書をめぐる漏洩(ろうえい)問題で、前原誠司国土交通相は9日、報告書の信頼性の検証チームを今月中にも発足させることを明らかにした。チームは事故遺族や被害者、外部有識者らで構成する。JR西日本の山崎正夫前社長(66)=業務上過失致死罪で在宅起訴=らJR西日本幹部と、航空・鉄道事故調査委員会(現・運輸安全委員会)の委員との接触などが報告書にもたらした影響を検証するという。

 報告書の内容を正式に検証するのは初めて。前原国交相は「(報告書が)信頼に足るのか疑問」とし、「場合によっては必要な措置も取る」と、報告書の修正なども行う方針を示した。

 一連の問題では、山崎前社長が平成19年6月の最終報告書公表前に、国鉄時代の先輩だった事故調の山口浩一元委員から入手、JR西に不利になる記述を削除するよう働き掛けたことや、別の幹部が佐藤泰生元鉄道部会長と会食を重ね、調査内容や意見聴取会に向けたスケジュールを聞きだそうとしていたことが明らかになった。これまで運輸安全委は「報告書の内容がゆがめられたことはなかった」としていた。

 一方、事故の被害者らでつくる「福知山線事故・負傷者と家族等の会」のメンバーら6人が9日午前、国交省を訪れ、辻元清美副大臣に事故調査機関のあり方の見直しや漏洩問題の徹底調査などを求める要望書を提出した。午後には運輸安全委員会の後藤昇弘委員長と面談し、要望書を手渡すとともに、徹底した調査と説明を求める。
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結局、省庁というのは政治が主導しないと何も変わらないのだろう。とはいえ、遺族も参加して報告書の検証を行うということは一歩前進と評価する。

ただ、遺族は委員らと違って専門家ではないから、遺族の気持ちがあまり前面に出すぎると検証後の報告書が科学的な調査結果から離れてしまう恐れもある。遺族の心情に配慮した委員会の運営を確保しながら、感情論を排し、科学的な検証に基づく調査結果を導き出していくことが肝心だと思う。

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【緊急告知】「佐藤泰生氏 “情報漏えい問題を語る”」のお知らせ

2009-10-08 23:11:54 | 鉄道・公共交通/安全問題
タブレット@管理人です。

次のようなイベント開催の案内が私のところに回ってきました。
関西地区の方、他地区でもこの問題に関心がある方はぜひ行ってみることをお勧めします。ただ、問題は佐藤氏がこの中で何を語るかだと思います。旧事故調(運輸安全委員会)へ批判を和らげるための単なるガス抜きとならなければいいのですが。

残念ながら、当ブログ管理人は都合により参加できません。というより、尼崎市での開催なので、参加は無理です。

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一般公開

JR福知山線脱線事故 元事故調鉄道部会長 佐藤泰生氏“情報漏えい問題を語る”~その思いと真相~  

9月25日、JR西日本福知山線脱線事故の事故調査委員とJR西の幹部たちとの事故調報告をめぐる事前漏洩や改ざんへの疑念が報道されました。そこには、事故調委員と事故の加害事業者との、癒着にも相当する密接な関係という社会問題になっています。

私たちは、被害者とその支援者としての立場から、今回の一連の疑惑をめぐる全貌とその真相を把握しようと努めています。その当事者の一人である元事故調委鉄道部会長・佐藤泰生氏から、私たちに釈明する機会を持ちたいとの申し出がありました。そこで、佐藤氏の勇気ある申し出を率直に受け止めることとし、以下のような場を設けることにしました。今回の事件に関心を有する方なら、どなたでも参加できます。

【日時】10月18日(日) 14時~16時
【場所】ホテルニューアルカイック2階“あやめ”
  尼崎市昭和通2-7-1  電話06-6488-4777 (場所はこちら

●質問等は、主催者の代表で進める予定です
●参加費は不要ですが、支援・協力をお願いします

主催
JR福知山線脱線事故4・25ネットワーク
同 支援弁護士グループ
鉄道安全推進会議(TASK)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【連絡先】兵庫県震災復興研究センター650-0027神戸市中央区中町通3-1-16、サンビル201号
電  話:078-371-4593
ファクス:078-371-5985
Eメール:td02-hrq@kh.rim.or.jp
ホームページ:http://www.shinsaiken.jp/
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混乱の原因が「風速規制強化」?

2009-10-08 22:50:46 | 鉄道・公共交通/安全問題
JR最大規模の運休…風速の規制強化が一因

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 台風18号の影響で、首都圏のほぼ全線がストップしたJR東日本では、影響人員が過去最大規模の計約296万人に上った。

 JR東日本によると、同社は乗客5人が死亡した2005年の山形県内の羽越線の脱線・転覆事故以降、運転を見合わせる風速の規制値をそれまでの秒速30メートルから25メートルに引き下げた。風速計も事故発生時は228基だったのを、今年3月までに674基に増やしており、このうち首都圏には約180基が設置されている。こうした安全対策が、今回の台風で各線の運休が増えた一因となったとみられる。

 一方、東北・山形・秋田新幹線や上越・長野新幹線も一時運転を見合わせ、38本が運休、72本が遅れて約7万人に影響が出た。
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羽越線事故による風速規制の強化があたかも混乱拡大の原因であるかのように報ずる読売新聞は、安全問題を理解していない。

そもそも、国鉄時代末期、1986年12月28日に起きた余部鉄橋からの急行「みやび」転落事故を受け、国鉄は強風による運行中止の基準を風速20メートル/秒と定めた。この規制は、余部鉄橋だけに適用されるローカルルールだったとする説もあるが、ともかく今より厳しい基準が定められていたことは事実である。

それが、民営化と前後して、JR東日本では風速規制を大幅に緩和、次の2つの規制を併存させる形に改めた。

※一般規制
警戒…風速20メートル/秒
徐行…風速25メートル/秒
運行中止…風速30メートル/秒

※早め規制(一部の路線・区間のみ)
警戒…風速15メートル/秒
徐行…風速20メートル/秒
運行中止…風速25メートル/秒

JR東日本が行った羽越線事故後の風速規制強化というのは、それまでの一般規制で風速30メートルにならなければ運行中止にしなかったのを風速25メートルで運行中止にするよう改めたものだ。それまでは例外扱いだった「早め規制」の基準が原則になったということを意味しており、内容としては規制強化と判断していいものだが、これにしたって国鉄時代と比べれば決して厳しい基準ではないのである。

羽越線事故は2005年12月25日に発生したが、結局、羽越線が復旧したのは翌年1月19日であり、運休期間は3週間に及んだ。それに比べれば、影響が広範囲に及ぶものの、台風による運休やダイヤの乱れは長くても2~3日で終わる。大事故が鉄道会社にとっていかに高くつくか、これだけでもよくわかるというものだ。

今回、読売新聞の記事を書いた記者は、たぶんこうした歴史を知らないのだろう。それに、人命が失われることに比べればいいではないか。

一般マスコミである読売新聞がお粗末な報道をしていることに対しては「勉強し直して来い」でまだ許せるとしても(本当はそんなことで許してはならないのだが)、問題は「自称鉄道アナリスト」川島令三氏が読売と同趣旨の発言をしていることだ。これは鉄道ファンから見てまったく許し難いことである。

川島氏は、尼崎事故の時も「ボルスタレス台車が事故の原因」であると主張した。当ブログは、脱線を招いた複合的要因の中のひとつにボルスタレス台車の問題が含まれるという考えであり、川島氏と対立する立場ではないが、問題は川島氏が、ボルスタレス台車が全てであるかのように主張したことである。これは川島氏の悪い癖だ。

最近のマスコミ(特にテレビ)は歯切れが良く、白黒をはっきりさせる人物を重用する傾向がますます強まっている。そうした時流に乗った川島氏はテレビ受けは良いかもしれないが、ひとつの現象を取り上げてそれが全てであるかのように主張し、可能性のある他の原因を葬り去ってしまうことは、科学的な原因究明の道をかえって閉ざしてしまう。鉄道事故というのは、自称鉄道アナリストごときが簡単に結論を出せるほど単純なものではないのだ。

彼のような人物が重用されるというのが、思考停止したテレビ界の現状をよく表しているように思われる。もうマスコミは川島氏をコメンテーターに使うのは控えた方がよいし、川島氏も、私ごときに批判されたくなければテレビ出演は控えた方がご自身のためである。

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