ほしちゃんの「続・なるようにしか、ならん」。

安くてウマいもんと料理と旅行と音楽と競馬が好きなサラリーマンの暮らしを、ありのままに綴ります。

文化庁の皆さん、京都は大変ですよ…

2016-03-24 20:55:37 | 思うこと

文化庁が、京都に移転するそうな。
期待している人も居るだろうし、それで潤う人も居るので大変申し訳ないのだが、正直京都人としては職員の皆さんはさぞ大変だろうなと思う。
寺社仏閣をはじめとして文化的価値の高いものが沢山あるのはよく分かっているのだが…

たまに観光で数日居るだけなら京都は雅やかでいい街なのかもしれないが、私は個人的に京都ほど住みにくい街はないと思っている。
いや、正確に言えば
「京都人以外の人にとって、京都ほど住みにくい街はない」
という表現が的を射ているだろう。
京都市北区上賀茂に生まれ育った私が言うのだから、これほど確かな事はない。

道の狭さ・インフラの未整備ぶり、夏の暑さ・冬の寒さ、新鮮な食材のなさという物理的な住みにくさもさる事ながら、一番の障壁はマインドだ。
京都人は、観光客を大切にする。もちろん一部で足元を見てぼったくる観光業者も居るが、お客が納得されている場合もあるので問題にしにくい。
京都に数日居て、その雰囲気に魅了され「住んでみたい」と思われるのは正直なところかもしれないが、大半の人はエラい目に遭う。
京都に住む、という事はすなわち「京都人になる」、イコール「生まれた街の文化は捨てなさい」という事なのだ。
しきたりについてはもうとにかく一事が万事、「京都ではこうなのだ」と押しつけてくる。
私は京都人はそんなに腹黒いとは思わないのだが、思った事を素直には言わないフシはある。例えば最終的に受ける話でも、三度は断る。
四度目になって腰を上げるのが京都人なのだ。私も親兄弟すら信じられない、と思った事も何度もある。

学生時代を京都で過ごし、オトナになっていつか京都に住みたい、と思う人も多いようである。
私に言わせれば甘い。京都は学生をものすごく大事にする反面、社会人生活を送るとなると話は全く別なのだ。

土地もなく、道も狭く、気候も厳しく、菜っ葉の炊いたんと漬けもんぐらいしか日常食うモンもなく、たまの外食と云ってもいわゆる京料理や湯豆腐など食うはずもなくせいぜい王将や天一に行くのが関の山。それが京都だ。
いい季節には観光地という観光地が客とクルマで溢れ、買い物すらままならない。最近はそこにインバウンドも加わり、もう収拾がつかない。
京都駅から嵐山に行くのに、GWなどは3時間かかってしまう事もある。
逆に観光地から京都駅行きのバスに乗ろうものなら五条のあたりから全く動かず、
「お急ぎの方は、ここで降りて地下鉄に乗るか歩いて下さい」
と運転手に云われるのが日常なのだ。

そこにいざ文化庁の機能が来たからと言って、庁の仕事がうまく回るのかと云われると考えにくい。
職員さんも、さぞ通勤には苦労されるだろう。クルマがないと何処にも行けないのに、道が狭すぎる。
京都は建造物に高さ制限があり、マンションも高いものは建てられない。ホテルもしかりで、今以上マンション事情が悪化するのは避けたい。東京から出張してくる職員の宿泊施設確保も、困難を極めるであろう。

それでも京都に憧れ、京都に一度住んでみたかったという職員さんならいいが、そうでもない人はいわゆる「都落ち」みたいな気分になるであろう。
安心して下さい、明治維新の時に「遷都の儀」をやっていないので、ホンモノの都に来たんですよ(笑)…