ほしちゃんの「続・なるようにしか、ならん」。

安くてウマいもんと料理と旅行と音楽と競馬が好きなサラリーマンの暮らしを、ありのままに綴ります。

コメンテーターよ、素直に評価出来ないものか?

2016-03-25 22:26:10 | No Music,No Life.

昨日から今日にかけて、大変喜ばしいニュウスが入ってきた。
我が尊敬してやまない「歌う人間国宝」山下達郎の大ヒット曲「クリスマス・イブ」が、30年連続オリコン・シングルチャートインしたという事でギネス認定されたのだ。達郎はこの知らせを受け、昨夜コンサートを開いたNHKホールで観客に報告したそうだ。私もその中の1人でありたかったものだが、東京なのでおいそれとは行けず残念だ。

ところがそのニュウスについて、今朝の某局のラジオでコメンテーターのT・O氏が「クリスマス・イブ」について
「陳腐でウンザリ。アルバム『メロディーズ』はよく聴くが、この曲は飛ばして聴く」
と、耳を疑うような発言。リアルタイムでその発言を聴いてしまった私は、即その局に抗議メールを送った。

そのコメンテーターは、とにかく安倍首相・橋下徹氏について批判的でその切れ味は極めて鋭く、聴いていて痛快だ。
そして過去の発言をネットでひもとくと、達郎の熱心なファンでありアルバムも全て持っているようだ。しかし3年前に同じ番組で達郎について
「詞が陳腐」
と斬って捨てていたようである。

人の感性なんてそれぞれであり、私の感性も否定されたくはないのでこのT氏の感性についてとやかく言うつもりはない。
政治家について厳しい発言は痛快だが、彼らは国民の税金で食べているワケでありある程度の厳しい批判は仕方ない部分もある。

しかし、達郎は音楽家だ。確かに作詞は専門家ではないし、私自身決して全ての彼の詞が好きなワケでもない。
でも詞を書いて曲を書いてアレンジして演奏し、コーラスも自分でかぶせて…という作業を40年も続け、国民的ヒット曲をいくつも生み出している。
その一連の音楽に取り組む姿勢に、リスペクトする気持ちはこのコメンテーターにはないのか。

コメンテーターという商売は、とかく辛口な方がウケやすい。
しかし辛口な物言いをする事を、自己目的化していないか。早い話が、何でもかんでも辛口に語る事によって存在感をアピールしていないか。
今回の発言がどれだけ達郎ファンを敵に回すか、分かっているのだろうか。
攻撃する相手を、間違っていないか。

「クリスマス・イブ」を、「陳腐だ。もう沢山」と言う気持ちは、分からないでもない。
しかし批判されるべきはその作者ではなく、その曲をバブルでトレンディなクリスマスのBGMに使ってきた若者と、そのようなムーブメントを作ってきたマスコミではないのか。
あの曲は、「メロディーズ」のラストにひっそり収められている、知る人ぞ知る曲だった。それをいつの頃からか、上記のような目的で使う連中が出てきた。
「夏だ海だ、だった達郎が、今度は冬に儲けようとしている」
と揶揄され、我々ファンはひどく傷ついた。
このコメンテーターの発言は、それと大差ないように思えて、残念で仕方ない。

このコメンテーターに、今回のツアーでの達郎の発言を捧げる。
「ファンの中には、『もうこの曲は飽きた。やらなくていい』などと言う人もいる。しかしライブというのは、一期一会だ。
私もいろんな人のライブに行ったが、かつてのヒット曲をやらない人もいる。しかしせっかくその曲が聴きたくて足を運んだファンは、残念に思うはずだ。
なので私は、誰に何と言われようと『クリスマス・イブ』はやめません」