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「山水」理想郷への旅ー大和文華館へ

2016-04-02 11:49:29 | 大和文華館
枝垂桜は散り始めておりますが、春の花々が咲く
  
奈良大和文華館では、4月10日まで残り一週間ほどですが
山水ー理想郷への旅ーと題した展覧会が開催されております。
 
平面上に描かれる、東洋の山水画ですが、
工夫を凝らした画家たちの三次元空間への表現の
素晴らしさに、息をのむばかりでした。

三章からなります。
1.日本の室町時代の山水画
狩野派の伝統を継承されますが、江戸時代になり、
円山派や南画への流れが生まれます。

山水図屏風、伝周文筆(室町時代)重要文化財
木々を揺らす風の音が聞こえませんか?


 

奔湍図、伝狩野元信
飛沫と水の轟音が聞こえるようですね。


東山三絶図、丸山応挙筆(江戸後期1786)
京都の東山からの街並みで、遠景、近景が誇張されており、
手前には宴会、遠くには東寺の五重塔が見られます。


潤泉松声図、浦上玉堂筆(江戸後期)
擦筆法で鋭く描かれており松籟をうまく表現しています。


高土観瀑図、山本梅逸筆(江戸後期1851)
透視遠近法で描かれ、松林の中の滝へ向かう高士一行が
風の流れを感じませんか?


2.中国の明・清朝時代の山水画賞楓図、張風筆(清朝1660)
遺民として生涯を過ごされたそうで、
画中の人物にまで、高潔さが現れております。
谷を駆け抜ける風が
筆は力強くまたは緩慢に、手の動きまでもが伝わります。


山水図冊、方士庶筆(1728)
37歳初期の図で、幻想的な薄墨の美しさ


3.山水版画
肉筆とは違った硬質な美しさを感じました。