気軽に茶道をしてます。

日々のお稽古とともに、できるだけ手作りのお菓子で
お茶を楽しんでいる様子や、四季折々の変化もお伝えします。

台子初稽古は真の炭(炉)を

2016-02-19 16:18:45 | お稽古
今度の台子のお稽古は、
『真の炭』をご指導していただくことに。
最も格の高い炭手前ですが、
やはり大事なことは、
ちゃんと炭が熾こるようにしめし灰を撒き、
炭を置き、香を焚いて、湯を沸かすことです。
炭斗は折敷です。
底に合わせて奉書を切り敷きます。
折敷は神様に捧げるものですから、
正面は向こう側となり、
当然継ぎ目は手前にして扱わねばいけません。
早速、お道具をそろえ、
時間を見つけては、家稽古を。
なかなか時間が取れませんが、
なんとか最低一日一回は・・・
このお稽古場は南側、
鳥の鳴き声とともに、飛び回る音がしました。
そっと障子を開けると、メジロで、
花の蜜を吸いにやってきました。
庭の椿から、遠くの満開の梅の木へと
さえずりながら、なんとせわしげなことなんでしょう。

見えかくれ 居て花こぼす 目白かな』 
              富安風生
『メジロ』は、口笛や口まねすれば、近くに来るそうで、
正岡子規は、こんな句を読んでおります。
誰やらが 口まねすれば 目白鳴く

さてメジロの鳴き声はと思い、検索しましたが、
野鳥の会は複雑としか書かれておりません。
他でも字で表すのは難しいが、
メスは、「チー」と鳴き、
オスは、「チジー」「チュリー」「チューチン」とも。

昔の方は上手に言っておられ、『聞きなし』というそうで、
「チーチューチュルチーチュル・・・」のように複雑で長いのは
長兵衛 忠兵衛 長忠兵衛」と、
最近では「チルチルミチル 青い鳥」とも、フフフ
そう思って、聞き耳を立てていただければ。
 

且座(しゃざ)之式を

2016-02-18 10:42:28 | お稽古
二月後半の玄関に、赤膚焼のひな人形を飾りました。
箱を出る 貌(かほ)わすれめや 雛二対
                 蕪村
この俳句には二つの解釈があるそうで、
子規は「箱から出すひな人形二対の顔を忘れようよ」
鳴雪は「箱から出すひな人形二対の顔を忘れていないか」
 
私には、・・・
                    
春になったと思ったのも束の間、冬に逆戻り
でも梅の木に、メジロがやってきてくれました。


そんな中伺った、先日の先生稽古は、『且座(しゃざ)之式』
花、炭、香、濃茶、薄茶の準備をして
東、半東、1,2,3と客を決め、始まりました。

且座之式は七事式のひとつで、禅語が名称になっています。
臨済宗の宗祖臨済義玄の語録を集録した「臨済禄」の「且座喫茶」
もしくは、趙州の従諗(じゅうしん)和尚の且座喫茶法からとも。
且座は、正式には「しゃざ」で、「さざ」とも読むようで、
「まあ、座ってお茶をおあがり」という感じで使われますが、
これには深い意味があるのだそうです。
無学和尚は「是法住法位」と頌を付されているように、
花月之式とは違い、途中で位置や役目は変わらないことより、
”各々が定まった業を果たすこと、
すなわち自分の決められた本分を全うすることで、
生きがいを見出しなさい”
という意図が隠されているのだそうです。   

会津若松の長門屋さんの『且座』という
香ばしい麩焼きせんべいを思い出しました。
煎餅の軽さと、クルミの香ばしく歯ごたえのある食感が
口の中で溶け出し、その後隠し味の味噌が効いてきます。

奈良でウグイスの初鳴きが

2016-02-17 00:15:19 | 散策
お茶室でも『鶯』が飛びますね。
今月は、大炉で逆勝手のお稽古をしておりますが、
本勝手から逆勝手にチェンジする鶯点も
この時期に一度はしたいものです。
帛紗で作った鶯を水指蓋の上に乗せ
本勝手から逆勝手に移る時
水指を持って回ります
その時に『鶯』が飛びます。

鶯の 声を聞きつる あしたより 春の心に なりにけるかも
                     良寛
奈良でウグイスの初鳴日が、この15日に観測されました。
ウグイスは春告鳥、花見鳥といった別名もあり、
春を象徴する鳥ですね。
気象庁では、生物季節観測の一つとなっており、
ウグイスの初鳴き前線として用いるため、
”「ホーホケキョ」とちゃんと鳴いていた日をお知らせください。
 暖かい日に「ケキョ」とか「ホヶキョ」とかグチュグチュ鳴く
 ことがありますが、そのような声を聞いた日はお知らせいただ
 かなくて結構です。 ”として募っておられます。
発表では、一番早い南大東島で1/5、熊本2/13に次ぎ、
奈良は3番目で、昨年より六日早くなっております。
どうして奈良で、こんなに早いのでしょうか?

去る14日の温かい日に、鴻ノ池付近で、ウグイスを見ており、
でも鳴声は、「ジェ、ジェジェ」、残念です。
鴻ノ池付近の住宅地を抜け、里山の雰囲気が漂い始めると、
突然、鳥の鳴き声に振り向くと、ヒタキに混じり
『ウグイス』にやっと会えました。
 
「ジェ、ジェジェ」と鳴いたかと思うと、違う枝へ

じっとしてくれません。
あっという間に、どこかに行ってしまいました。

もう一つ春を見つけました。
ムラサキシジミ』が日向ぼっこのため、
羽を大きく広げて、日光浴中です。

大炉の稽古準備で、炭の爆跳が

2016-02-16 08:04:01 | お稽古
昨日の昼から、大炉にて自宅稽古に、
お二人が見えになりました。
 うす紅色
うす紅色の馬酔木のつぼみと 雲珠(ウズ)椿を活けました。
近くの公園の馬酔木には、
白色の壷形の花が二輪咲きだしており、
白色
うす紅色と白色、二色あるのを初めて知りました。
馬酔木(あしび、あせび)どちらで読まれておりますか。

稽古準備の最後に、炭入れをすると、
炭がきれいに熾ったと思っておりますと、
突然火花が、バチバチ『爆跳』と呼ばれており、
カメラを構えますが、なかなかうまく撮れません。
 クリックで拡大 
立花の 火花やいはば 遅ざくら』   
        宗信(千宜理記)芭蕉19歳
  炭火の爆跳を遅ざくらに、たとえられております。

『爆跳』の最大の原因は湿気、つまり炭の保管方法です。
炭自体、湿気を吸ったり吐いたりしています。
湿気のある場所に長時間置いておくと、
吸ったままの状態となり、
空気と湿気が交互に養分の入った穴に入り込み、
詰まってしまい、その炭を火で暖めると、
中の空気が膨張して爆跳を起こすのです。

次に炭質だといわれており、多くの場合、
木の枝分かれや形の悪い部分で起こりやすく、
炭化度が低く樹脂成分が残っているためと考えられ、
特に樹齢が30年以上経った樹木の芯の赤い部分が
爆跳しやすいとされており、さらに技術的問題
炭を焼く最後の工程「ねらし」の段階、つまり
炭化の終わりに炭窯の温度を上げて、
炭の中のガス分を抜き、同時に焼しめることが
充分でない時にも起こるものだそうです。

20年ほどの樹齢の木は、地球温暖化の原因の
二酸化炭素吸収率も高く、また
ナラ枯れの病原菌にも強いことを
先人たちは経験的に知っておられ、
20年程度の伐採する木を選び、伐採することで
切株から木が20年ほどで再生出来るという
このサイクルを繰り返されていたのですね。

私たちにとって『良い炭』を使うためには、
信頼のおける炭屋さんから、少量ずつ購入することですが、
保存する場合でも、厚いナイロン袋に
吸湿剤とともに厳重に封をすることですね。
安全の面からだけでなく、
良い炭を使うことは、良いお稽古に繋がる
必須アイテムということがよく分かりました。

奈良『多聞城跡』で松永弾正久秀と蘭奢待は

2016-02-15 10:31:50 | 散策
           若草中学校よりの東大寺方面を望む
昨日は朝から孫のミニ・バスケットの大会があり、
鴻ノ池にある奈良市立中央体育館に出かけました。
 
初孫の成長した違う一面も見られ、ありがたいことです。
第一試合は勝つことができ、
第二試合まで90分ほどあり、散歩を兼ね
以前より気になっておりました、『多聞城跡』を訪れようと
東側へ足を、付近は新興住宅街へと変貌しておりますが、
若草中学校の切通し(空堀)に至り、斜面状を下り降りると、
佐保川に突き当たります。住宅街から上り坂を中学校へ、
そして中学校の正門前には、こんな階段が
 
毎日生徒たちが、昇り下りし、大変ですね。
ふと横に、『多聞城跡』の石碑があります。
でも、この城跡の案内板も見当たらず、
このがけが、石垣跡かもと思いながら、ウロウロ
付近に、多数の石仏が集められ祀られており、
後で調べると、なんとこれは石垣の名残だそうで、
築城主は、茶人としても有名な『松永弾正久秀』でした。
こんな経路で歩いております。

校舎までの急な階段を登りきり、
一息ついて東側に目を転ずれば
東大寺から二月堂そして若草山、南には興福寺まで見渡せ、
なかなかのロケーションです。
 
城が作られる要害の地であることが、よく分かりました。
奈良の人は、奈良時代のことには詳しいですが、
戦国時代の奈良のことは私を含めダメですね。
奈良での松永弾正久秀は、平重衡と並び大仏殿に火矢を放ち、
大仏様の首を落とした大悪人とされておりますが、
(久秀の仕業とされているが、実際は三好方の失火説が有力)
最近奈良では、わび茶の祖、珠光茶会も開催されており、
茶人としての松永弾正久秀にも光を当ててほしいものです。

松永久秀はこの多聞山城を1560年に築き、多聞櫓とよばれる
日本初の四層の櫓を持つお城として知られ、そのすばらしさは
1565年にポルトガルの宣教師で訪れたアルメイダが
「天国にはいったような感じがする。世界中でこのような
美麗な建物がほかにあるとは思われない」と述べております。
1574年11月に、織田信長が正倉院に伝わる名香「蘭奢待」を
切り取った際に多聞山城にも立ち寄っており、
あの『安土城』はこれを真似たといわれ、嫌った?
信長は後に、多聞城を壊させております。
また多聞城内に6畳と4畳半の少なくても2つの茶室、茶亭があり、
茶会が行われたと『茶会記』にも述べられており、
後に織田信長へ献上することになる「付藻茄子」や、
信貴山城が落城時に献上を嫌い、叩き割ったとされる「平蜘蛛窯
の名も見受けられ、その他には松本天目茶碗、天下一合子、
珠徳象牙茶杓などの茶器名物を集めております。

なお列福が予定される高山右近も松永家臣だそうです。

大炉稽古の主菓子はお多福豆(桃山)を

2016-02-14 12:34:48 | 主菓子とお干菓子
さあ今日は「桃山」をつくりましょう。
まず皮を作ります。
白あん300gを耐熱容器に入れ蓋をせず
電子レンジで260gになるまで加熱し

裏ごしした黄身を入れ指マッシャー
小麦粉をふるい入れ混ぜ、生の卵黄、みりん、菜種油を入れ
ゴムべらでよく混ぜラップに包んで冷蔵庫で30分休ませます

柚子餡を作り、20gの餡玉に

皮の生地を16等分し丸めます。
直径5㎝の円形に伸ばし、柚子餡を乗せ包みます

形を整え、割りばしで切れ込み、くぼみを作ります。
どうぞ綺麗な形に仕上がりますように
 
オーブンで焼きます。
皮の生地が柔らかかったため
少々だらしないお多福豆になりましたが、
桃山完成です。


干菓子も豆を

福ハ内で一服いかがですか。

大炉の炉開きを

2016-02-13 18:44:06 | お稽古
二月は大炉、この時季しかできないお点前ですね。
大炉を切ってはじめて、先日灰を入れており
自宅稽古で”大炉開き”になります。
初めて炭を熾し入れ、
 
釜も掛けました。
 

この部屋には、床がありませんので、
代わりに、お軸と花活けを鴨居から釣ってみました。

軸は、『一期一会』
これはなんと、ハンカチを、軸にしてくださったもの、
真菅の先生、ありがとうございます。
 

三種類の椿を、有楽、侘助、天乙女

思っていた以上の出来上がりに、うれしくなります。

玄関を開ける音とともに、”おはようございます”の声で、
次から次へと着物を召しに、二階へと上がられ、
お三人の予定が、急遽四人になりました。

もちろん皆さん大炉が初めて、
大炉は玄々斎が創案されたもので、
裏千家独自のお点前です。
その上、逆勝手。
広蓋の釜の扱いも初めてです。
大変だなと思いながらも酷寒の2月のお点前「絞り茶巾」
の筒茶碗も出して置きましたところ
大炉、逆勝手、広蓋、絞り茶巾のお稽古になりました。
さあ、皆さん油断は禁物です。

この日の最低気温は-2.8℃と下がり
電気ストーブとホットカーペットだけでは、
寒いのではと心配し、隣部屋のエアコンも使い
襖を少し開けておりましたが・・・、
炭の力』、思った以上に稽古場は暖かくなり、
大炉を考えられた先人の知恵に驚くばかりです。

大和文華館の早春は

2016-02-12 12:55:11 | 散策
白壁に 紅を映しぬ 枝垂梅
          村井久美子
大和文華館の入り口のチケットブースを入ると

すぐそばに、栴檀の木が

上り坂になっており、文華館まで60mほど
 
本館全景

花マップです。

上り坂には椿と思えば、さざんかです。

一本の幹に、色々な梅の花が、

紅梅の花には『道知辺』と
    
白玉梅も

マップに梅の小径で、
きれいに咲き盛り、かすかな香りが漂っております。

見とれてじっとしておりますと、鳥が
メジロでしょうか

緋梅も呉羽枝垂も
 
ユキヤナギに、もうすでに花が咲いております。

ベンチが置いてあり、座ると一時ですが、
ゆったりとした気持ちに癒されました。

第三回珠光茶会に

2016-02-11 20:00:10 | お茶会・お茶事
昨年の12月にお知らせしたとおりに
珠光茶会は、二月八日(月)から十四日(日)までの七日間
春日大社、東大寺、元興寺、大安寺、西大寺、唐招提寺、
薬師寺、法華寺の一社、七寺で行われ、
表千家、裏千家、武者小路千家、遠州流、石州流、
藪内流、宗徧流の七流派が担当されております。
クリックで拡大
各社寺を結ぶ、巡回バスも運行されていました。
境内案内図
 ←巡回バス案内
私は十日(水)、東大寺大安寺のお席の券を
手に入れており、

当日、三人で待ち合わせ、朝9時半過ぎには、東大寺に。

大仏殿の西側、集会所が表千家さんのお濃茶席会場で、
もうすでに、一席は始まっており、頂いた順番は
50番台、なんとか二席目に寄せていただけました。
冬の素晴らしい道具組でしたが、
お水取り大松明の竹を持って作られた花入れに
万作と紅白椿が
寒冷えの大和の春を呼び一番でした。

主菓子は、黒米の椿餅樫舎さん
椿の葉で挟まれており、
紫式部の「源氏物語」34帖 若菜上に記されており、
日本最古の餅菓子とも云われます。
樫舎HPより

大仏様に久しぶりにお会いして、
11時過ぎには点心席へ
久家さんの点心、おいしいかったです。

東大寺ミュージアムへもこの券で入場でき、
光背の残欠も拝見することができました。
前にはおたいまつが飾ってあります。


連絡巡回バスは30分毎に出ており、5000円券は無料で、
大安寺へと向かいます。
大安寺の客殿での、裏千家のお薄席
建国記念日にちなんでの道具組、
お軸は鵬雲斎大宗匠「神敬可敬」でした。

癌封じの笹竹で有名な大安寺ですが、
おみくじのだるまさん(300円)が、
こんな風に残されて、置かれております。

またかわいらしい椿が目に留まりました。


私は二回目ですが、楽しく回ることができました。
帰りついたのは、午後三時半ごろで、

いろんな流派のお茶席を経験できるのが
またとない機会、本当に素晴らしい企画ですね。

特別企画展『仏教の箱』大和文華館へ

2016-02-10 16:26:15 | 大和文華館
今年になり大和文華館に伺っておらず、急に思い立って
お邪魔すると、いつもとは違い、多くの車が、
なんとラッキーなことに、今日は”梅の無料招待デー”です。
入り口
特別企画展『仏教の箱』ー荘厳された東アジアの容れものー
展示品は62品目からで、
HPでは、こんな説明文から始まります。
『特別なものや貴重なもの、永く残しておきたいものなどは、
 どのような箱にしまうでしょうか。・・・・
 箱は物を入れて保管する機能を持つと同時に、
 箱そのものを美しく飾ることによって、
 中のものの大切さや貴重性、・・・
 思い入れの深さを表現する手段にもなったといえます。』
入り口には三つの展示品が出迎えて頂き、
石造四面仏:唐中期を表します。
 北方は弥勒如来、東法に釈迦・多宝如来
 南方は定光如来、西方に阿弥陀如来さまが

五つの分野で展示分けされており、
1.舎利を納める
2.仏像を納める
金銅板仏:唐末期
 鴟尾がついた厨子の一部 大日如来と30尊

金銅如意輪観音像:唐末期
 左右3手で、ふくよかなお顔が

石造二仏並座像:北魏
 法華経の見宝塔品から
 多宝如来は右手をだし、釈迦如来を招く。


3.経巻・経冊を納める
もちろん国宝の一字蓮台法華経もありますが、
大方広仏華厳経:高麗後期、前田家伝来を


4.仏具としての容器
銅板地螺鈿花鳥文説相箱(重文):平安時代
オウムが螺鈿で、羽がきれいですね。
   
羅漢図:高麗、衣がやわらかい

堆黒屈輪大盆:元、60cm大で最大とされる
 屈輪紋が大盆全体に、迫力が

5.付:さまざまな箱

『箱』を通して、
仏の教えそのものによる人々の様々な祈りも籠められおり、
篤い信仰心と当時の美意識が感じ取れますね。
また香合や盆なども展示されており、時代による変遷も伺え、
うっとりさせていただきました。