学芸員のちょっと?した日記

美術館学芸員の本当に他愛もない日記・・・だったのですが、今は自分の趣味をなんでも書いています

内村鑑三『内村鑑三所感集』

2019-01-02 21:54:25 | 読書感想
今日も青空が広がり、とても素敵な陽気となりました。年始は暖かい日が続いていて、路面の雪もほとんど溶けて、すっきりとしています。毎年1月2日は街の初売りに出かけるのですが、今年は混雑を避けてのんびりと過ごしました。

内村鑑三の『内村鑑三所感集』を少しずつ読んでいます。岩波文庫の帯によると、本書は『聖書之研究』誌上に掲載した短文を約1,000編が収められているそう。本を開くと年次ごとにまとまっていて、それぞれ内村鑑三の年齢、活動、社会情勢が記されているので、内村の考え方の変遷や歴史的な背景を考えながら読める内容になっています。

私は、内村の考え方のなかから、共感できるところ、または自分の生活に取り入れられそうなところをメモして読み進めています。それは読書をするからには血肉としたいという思いがあるためです。よく名言集なるものを見かけますが、私の場合は瞬間的にうならせられることはあっても、自分のなかに取り入れられたという実感がしません。おそらく、名言集は思想の断片であり、言葉も短過ぎて、掴みにくいせいなのかもしれません。その点、『内村鑑三所感集』は1人の人物の物の考え方が適度な文数でまとめられていて、私には掴みやすい部分があります。

こうした思想の本を読み、メモを重ねて、血肉とすることで、自分が作られていくような気がします。ある作家が、自分探しは必要ない、自分とは構築されていくものだ、と述べていたことを思い出します。

明日は年末年始休暇の最終日。明日もどうか気持ちの良い晴れとなりますように。それでは、みなさま、おやすみなさい。
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