学芸員のちょっと?した日記

美術館学芸員の本当に他愛もない日記・・・だったのですが、今は自分の趣味をなんでも書いています

洋風建築の魅力

2019-01-18 19:25:04 | その他
今日も素晴らしく晴れた1日となりました。ただ、山から吹き下ろす風が冷たくて、肩をすぼめてしまうほど。このところ寒い日が続きますので、甘くしたカフェ・オレを飲んで、体を温めることが多くなりました。温かいものを飲むと、心も癒されますね。

先日、古書店から買ってきた藤森照信さんの『建築探偵』(朝日文庫)シリーズを読んでいます。藤森さんは東京大学名誉教授で、建築学に関する著名な研究者のひとりです。以前から、私は日本の洋風建築を見るのが好きで、近隣のドライブや旅先のコースに入れては楽しむ趣味を持っています。藤森さんは、それら洋風建築の魅力を日本に広く紹介した方のひとりで、固いものから柔らかいものまで書ける藤森さんの文章にとても勉強をさせていただいています。

『建築探偵』シリーズは、1987(昭和62)年に『週刊朝日』に連載されたコラムをさらに再編集したもの。藤森さんの文章と増田彰久さんによる美しい洋風建築の写真とのコラボで、文庫本にも関わらず写真はすべてカラーです。コラムの執筆から、30年近く経過しているため、今は現存していない建築物もありますが、それはそれで貴重な資料として扱われるでしょう。週刊誌に掲載されただけあって、小コラムが連続していて、一気に読むというよりは、家事の休憩時間、お湯を沸かすまでの時間、寝る前の時間、などに少しずつ読んで楽しませていただいています。

洋風建築の魅力はどこにあるのでしょう。私が感じる魅力とは、まず、つくり手のアイディアが面白いところ。特に疑似洋風建築は、和洋折衷で、とても不思議な魅力を持っています。山形県鶴岡市の旧西田川郡役所などはとてもスッキリしていて、時計台のついたオシャレな建物です。次に地域性を持っているところ。以前訪れた栃木県の宇都宮市大谷地区は、大谷石が産出される場所で、あちらこちらにその石を用いた建築が見られて、とても見ごたえがありました。3つ目はやはり歴史を経た遺産であり、ストーリー性があること。東京都台東区の旧岩崎邸庭園などは、建物が美しいだけでなく、財閥岩崎家の所有であったこと、関東大震災や太平洋戦争を乗り越えてきた貴重な文化財ですね。

暖かくなりましたら、また洋風建築巡りにも出かけてみたいものです。さて、今年はどこにでかけようかな。
コメント
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