学芸員のちょっと?した日記

美術館学芸員の本当に他愛もない日記・・・だったのですが、今は自分の趣味をなんでも書いています

主観と客観

2019-01-12 21:46:43 | 仕事
今日は曇天模様、ときどき雨というところ。このところ、ずっと天気がよく、空気も乾燥していましたから、多少は空気にも潤いが出ましたでしょうか。

先日、お客様から、美術館の改善点について、ご指摘を受けました。その方は、もっと地域の人たちに親しまれる美術館になって欲しい、との強い想いをおっしゃられました。お客様がお帰りになられた後も、しばらくはその言葉が心の中に響きます。

20代のころ、こうしたご指摘になかなか素直になれない自分がいました。気持ちに整理がつきにくいのですね。とても落ち込み、嘆いて、至らない自分のことを必要以上に責めました。

ただ、いまは年も重ねて来たせいか、こうしたご指摘をいただけることに、私はとても感謝しています。というのは、長い時分、美術館にいるとどうしても主観的な考えになりがちで、客観的な視点に欠けるようになってきます。私も常に意識はしていますが、やはりこれはなかなか防ぐのが難しいものがあります。ですから、こうしたお客様の意見はとても大切で、美術館が誰のために、何のためにあるのかをはっと気づかせてくれます。ありがたいことです。

美術館の学芸員として専門的な知識を身につけることは必須ですが、1社会人として様々な人との関わりのなかから学ぶこともたくさんあります。より良い美術館にしていくため、なすべきことはたくさんありそうです。