2011年7月11日、自民党の「総合エネルギー政策特命委員会」第3回が開かれた。自民党が与党だった時代に進めてきた原子力政策が正しかったか、検証しようとする目的らしい。
講師らは、口々に過去の自分を正当化した。
(a)野田毅・元自治相・・・・「安定性とコストの面から考えれば、原子力しかなかった」
(b)細田博之・元官房長官・・・・「過去を正当化する必要はないが、原発をすべてやめてしまえというのは感情的で適当ではない」
(c)甘利明・元経済産業相・・・・「私が経産相の時には、できることはできる限りやった」
河野太郎・衆議院議員が次のような質問を繰り出した。
①最終処分のための法律は、使用済み燃料を全量再処理することになっている。毎年出てくる1,000トンの使用済み燃料に対して、再処理工場の能力は800トンしかない。また、国内で再処理されて出てくるプルトニウムはもんじゅの燃料として使われることになっているが、もんじゅは動いていない。なぜ、つじつまが合わないのに自民党は、全量再処理の法律を制定させたのか。
②なぜ、自民党は、あれだけの反対の中、保安院を経産省の下に設置したのか。
③なぜ、自民党は、すべての環境法令について原発を適用除外にしたのか。
④なぜ、自民党は、処理できない使用済み燃料や高レベル放射性廃棄物を出す原発が、単に二酸化炭素を出さないというだけの理由でクリーンエネルギーと呼ばれるのを認めてきたのか。
⑤昭和47年に通産省と環境庁の間で結ばれた国立公園内の地熱発電の開発の凍結に関する覚書は今日現在でも有効なのか。もし有効だとしたら、なぜ、自民党はこの覚書を無効にしなかったのか。
⑥なぜ、これまで電力の質に関する議論が行われてこなかったのか。どこどこおn企業の製造する半導体関連のなんちゃらの部品は、日本の電力の品質がなければ製造できない等という発言が最近も自民党の会議のなかであったが、そのような電力を必要としているのは産業界でも極めて限定的であり、本来、それはその事業者が自ら調達すべきものであり、一部の限られた事業者のみが必要としている高品質の電力をすべての消費者に高価格で供給することはおかしいのではないかという議論に、なぜ、ならなかったのか。
⑦電力業界が一部、自由化されたという建前のせいで、総括原価の内容や原発のコストなど重要な情報が「企業秘密」ということになり、非公開になった。なぜ、自民党は、こんないい加減な電力自由化を認めたのか。なぜ、自由化を口実に必要な情報を隠すことを許してきたのか。
<河野氏によれば、3・11以前は、こうした質問をしても、「ではこれで会議を終わります」と一方的に打ち切られたという。>
□たくき よしみつ(鐸木能光)『裸のフクシマ ~原発30km圏内で暮らす~』(講談社、2011)
【参考】「【震災】原発>『裸のフクシマ ~原発30km圏内で暮らす~』」
「【震災】原発>30km圏内で暮らす人々の覚悟 ~裸のフクシマ・その2~」
「【震災】原発>川内村の「面白い人たち」 ~裸のフクシマ・その3~」
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講師らは、口々に過去の自分を正当化した。
(a)野田毅・元自治相・・・・「安定性とコストの面から考えれば、原子力しかなかった」
(b)細田博之・元官房長官・・・・「過去を正当化する必要はないが、原発をすべてやめてしまえというのは感情的で適当ではない」
(c)甘利明・元経済産業相・・・・「私が経産相の時には、できることはできる限りやった」
河野太郎・衆議院議員が次のような質問を繰り出した。
①最終処分のための法律は、使用済み燃料を全量再処理することになっている。毎年出てくる1,000トンの使用済み燃料に対して、再処理工場の能力は800トンしかない。また、国内で再処理されて出てくるプルトニウムはもんじゅの燃料として使われることになっているが、もんじゅは動いていない。なぜ、つじつまが合わないのに自民党は、全量再処理の法律を制定させたのか。
②なぜ、自民党は、あれだけの反対の中、保安院を経産省の下に設置したのか。
③なぜ、自民党は、すべての環境法令について原発を適用除外にしたのか。
④なぜ、自民党は、処理できない使用済み燃料や高レベル放射性廃棄物を出す原発が、単に二酸化炭素を出さないというだけの理由でクリーンエネルギーと呼ばれるのを認めてきたのか。
⑤昭和47年に通産省と環境庁の間で結ばれた国立公園内の地熱発電の開発の凍結に関する覚書は今日現在でも有効なのか。もし有効だとしたら、なぜ、自民党はこの覚書を無効にしなかったのか。
⑥なぜ、これまで電力の質に関する議論が行われてこなかったのか。どこどこおn企業の製造する半導体関連のなんちゃらの部品は、日本の電力の品質がなければ製造できない等という発言が最近も自民党の会議のなかであったが、そのような電力を必要としているのは産業界でも極めて限定的であり、本来、それはその事業者が自ら調達すべきものであり、一部の限られた事業者のみが必要としている高品質の電力をすべての消費者に高価格で供給することはおかしいのではないかという議論に、なぜ、ならなかったのか。
⑦電力業界が一部、自由化されたという建前のせいで、総括原価の内容や原発のコストなど重要な情報が「企業秘密」ということになり、非公開になった。なぜ、自民党は、こんないい加減な電力自由化を認めたのか。なぜ、自由化を口実に必要な情報を隠すことを許してきたのか。
<河野氏によれば、3・11以前は、こうした質問をしても、「ではこれで会議を終わります」と一方的に打ち切られたという。>
□たくき よしみつ(鐸木能光)『裸のフクシマ ~原発30km圏内で暮らす~』(講談社、2011)
【参考】「【震災】原発>『裸のフクシマ ~原発30km圏内で暮らす~』」
「【震災】原発>30km圏内で暮らす人々の覚悟 ~裸のフクシマ・その2~」
「【震災】原発>川内村の「面白い人たち」 ~裸のフクシマ・その3~」
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