2011年夏、電気が足りることは証明された。
電気が足りる、足りないの議論とは切り離して、戦略的にエネルギーシフトしていく必要がある。
日本では、自然エネルギーでは文明のエネルギーのすべてを賄えないという根拠のない思い込みが拡がっているが、自然エネルギーの最も主要な太陽光エネルギーでいうと、今我々が使っている化石燃料と原子力による電力を足した総量のおよそ1万倍のエネルギーが地球に降り注いでいる。
我々が今使っているエネルギーは、電気、湯・蒸気、自動車や飛行機を動かす燃料の3つだ。この3つに変換できさえすればいい。しかも、我々の使っているエネルギーは、太陽光エネルギーのわずか0.01%だ。自然エネルギーですべてを賄うのは、できる、できないの問題ではなく、いつまでにできるかという時間の問題だ。
もっと大事なことは、この文明社会を持続的にする、ということだ。その持続性は、先進国と途上国の格差を解消しつつ、将来の世代に残すべき遺産を食いつぶさない、という本当の意味での持続性だ。再生可能エネルギーと資源を再生が可能な範囲で使う社会でしか、この持続性を保つことができない。
自然エネルギー100%は、できる、できないではなく、しなければならない。
環境省の評価によれば、2010年3月のデータでは、太陽光発電は最大1億5,000万kWのポテンシャルがあり、住宅での発電量を合わせると、およそ2億kWのになる。これは日本の電力設備の発電量に匹敵する。
風力発電にいたっては、最大20億kWの、もっと大きなポテンシャルがある。
消費電力見直しは、例えば、スウェーデンのヨーテボリ南部の住宅は暖房設備がまったくない。外がマイナス40度になっても屋内は20度に保たれている。壁の厚さが42cmあり、窓が三重の木製サッシになっていて、間にアルゴンガスが封入されている。その表面は、Low-Eガラスでできている。空気を入れ換えるときには熱交換するので、冷たいフレッシュな空気は暖かいフレッシュな空気になり、屋内の汚れた空気は屋外に出るとき冷たい空気になる。
室内は、ささやかな太陽エネルギーと電化製品、人間から出る熱によって20度に保たれるのだ。
この住宅は、普通に分譲または賃貸しされている住宅だ。
日本でも販売されているスウェーデンハウスであれば、日本の普通の住宅に比べて暖房の使用量は数分の一で済む。太陽熱温水器により給湯も自然エネルギーで賄うことができる。浴槽も、魔法瓶風呂と節水シャワーにより、給湯のエネルギーを大幅に削減できる。
暖房は40度、給湯は60度の熱でできる仕事だが、この熱はエネルギーの中でもっとも「質」の低い、捨てる直前のものだ。電気でこの熱を作るのは非常にもったいない。発電するとき出る温排水として投入エネルギーの60%は捨てられる。その温水で暖房・給湯を賄うなど、この部分を節約する方法がある。
以上、インタビュイー:飯田哲也(NPO法人環境エネルギー政策研究所長)/インタビュアー:川辺美希「原子力発電というのは、国際社会ではもう終わっているものなんですね」(『私たちは原発を止めるには日本を変えなければならないと思っています。』、ロッキング・オン、2011)に拠る。
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電気が足りる、足りないの議論とは切り離して、戦略的にエネルギーシフトしていく必要がある。
日本では、自然エネルギーでは文明のエネルギーのすべてを賄えないという根拠のない思い込みが拡がっているが、自然エネルギーの最も主要な太陽光エネルギーでいうと、今我々が使っている化石燃料と原子力による電力を足した総量のおよそ1万倍のエネルギーが地球に降り注いでいる。
我々が今使っているエネルギーは、電気、湯・蒸気、自動車や飛行機を動かす燃料の3つだ。この3つに変換できさえすればいい。しかも、我々の使っているエネルギーは、太陽光エネルギーのわずか0.01%だ。自然エネルギーですべてを賄うのは、できる、できないの問題ではなく、いつまでにできるかという時間の問題だ。
もっと大事なことは、この文明社会を持続的にする、ということだ。その持続性は、先進国と途上国の格差を解消しつつ、将来の世代に残すべき遺産を食いつぶさない、という本当の意味での持続性だ。再生可能エネルギーと資源を再生が可能な範囲で使う社会でしか、この持続性を保つことができない。
自然エネルギー100%は、できる、できないではなく、しなければならない。
環境省の評価によれば、2010年3月のデータでは、太陽光発電は最大1億5,000万kWのポテンシャルがあり、住宅での発電量を合わせると、およそ2億kWのになる。これは日本の電力設備の発電量に匹敵する。
風力発電にいたっては、最大20億kWの、もっと大きなポテンシャルがある。
消費電力見直しは、例えば、スウェーデンのヨーテボリ南部の住宅は暖房設備がまったくない。外がマイナス40度になっても屋内は20度に保たれている。壁の厚さが42cmあり、窓が三重の木製サッシになっていて、間にアルゴンガスが封入されている。その表面は、Low-Eガラスでできている。空気を入れ換えるときには熱交換するので、冷たいフレッシュな空気は暖かいフレッシュな空気になり、屋内の汚れた空気は屋外に出るとき冷たい空気になる。
室内は、ささやかな太陽エネルギーと電化製品、人間から出る熱によって20度に保たれるのだ。
この住宅は、普通に分譲または賃貸しされている住宅だ。
日本でも販売されているスウェーデンハウスであれば、日本の普通の住宅に比べて暖房の使用量は数分の一で済む。太陽熱温水器により給湯も自然エネルギーで賄うことができる。浴槽も、魔法瓶風呂と節水シャワーにより、給湯のエネルギーを大幅に削減できる。
暖房は40度、給湯は60度の熱でできる仕事だが、この熱はエネルギーの中でもっとも「質」の低い、捨てる直前のものだ。電気でこの熱を作るのは非常にもったいない。発電するとき出る温排水として投入エネルギーの60%は捨てられる。その温水で暖房・給湯を賄うなど、この部分を節約する方法がある。
以上、インタビュイー:飯田哲也(NPO法人環境エネルギー政策研究所長)/インタビュアー:川辺美希「原子力発電というのは、国際社会ではもう終わっているものなんですね」(『私たちは原発を止めるには日本を変えなければならないと思っています。』、ロッキング・オン、2011)に拠る。
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