TPPの狙いとされるのは、次の4つ。
(1)関税の撤廃・・・・輸出がしやすくなる。
(2)共通のルール作り・・・・新興国での企業の活動や投資がしやすくなる。
(3)FTAAPへのステップ・・・・参加国拡大でさらに大きな経済圏へ。
(4)日本にとっての開放・・・・構造改革、競争力の強化。
TPP推進派によれば、TPPは実は通過点にすぎない。徐々に参加国を増やしてアジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)につなげるのが最終ゴールだ。
FTAAPは、APEC21ヵ国・地域の貿易自由化をめざす。実現すれば、世界のGDPの56%を占める経済圏となる。TPPで作ったルールはFTAAPでもベースとなる可能性が高い。だから今のうちに参加しておくべし、というのが推進派の意見だ。
FTAAPへの道筋として次の4つを同時並行で進めていくのが日本の戦略とされる。
(a)TPP
(b)ASEAN+3(日中韓)
(c)ASEAN+6(日中韓印豪、ニュージーランド)
(d)日中韓FTA
米国のTPP推進には、中国主導の(b)や日本主導の(c)が実現し、世界の成長センターであるアジアから締め出される事態を恐れた、という側面がある。また、存在感を示す中国をあわよくば(a)で作った自国に有利なルールに引きこみ、ダメなら対抗する、という狙いもある。
日本は、中国に対しては(a)参加を、米国に対しては(b)、(c)、(d)をちらつかせて有利な条件を得ようとする。現在交渉が進むのは(a)だけで、他はまだ研究段階、という現実もある。
(a)が刺激となって(d)が動き出したが、日本の目論みどおりにいく保証はない。
いいとこどりを実現するには高度な戦略と交渉手腕が必要だ。本来、将来の日本がどうあるべきかという国家ビジョンがあって、そのための通商戦略があり、その上で(a)以下がある。
ところが、政府は国家ビジョンを示していない。国民が混乱する所以だ。
以上、記事「TPPの最大の利点は「輸出増」ではない」および「TPPはただの通過点 本当の問題は“その先”」(「週刊ダイヤモンド」2012年4月14日号)に拠る。
【参考】「【TPP】米国製薬会社の要求 ~日本医療制度の営利化~」
「【TPP】蚕食される医療保険制度 ~審査業務という盲点~」
「【経済】TPP>米韓FTAの「毒素条項」 ~情報を隠す政府~」
「【経済】TPPは寿命を縮める ~医療と食の安全~」
「【経済】中野剛志の、経産省は「経済安全保障省」たるべし ~TPP~」
「【経済】中野剛志『TPP亡国論』」
「【震災】原発>TPP亡者たちよ、今の日本に必要なのは放射能対策だ」
「【経済】TPPをめぐる構図は「輸出産業」対「広い分野の損失」」
「【経済】TPPで崩壊するのは製造業 ~政府の情報隠蔽~」
「【経済】中国がTPPに参加しない理由 ~ISD条項~」
「【社会保障】TPP参加で確実に生じる医療格差」
「【社会保障】「貧困大国アメリカ」の医療 ~自己破産原因の5割強が医療費~」
「【経済】TPPとウォール街デモとの関係 ~『貧困大国アメリカ』の著者は語る~」
「【経済】TPP賛成論vs.反対論 ~恐るべきISD条項~」
「【経済】米国は一方的に要求 ~TPP/FTA~」
「【経済】伊東光晴の、日本の選択 ~TPP批判~」
「【経済】伊東光晴の、TPP参加論批判」
「【経済】TPPはいまや時代遅れの輸出促進策 ~中国の動き方~」
「【震災】復興利権を狙う米国」
「【読書余滴】谷口誠の、米国のTPP戦略 ~その対抗策としての「東アジア共同体」構築~」
「【読書余滴】野口悠紀雄の、日本経済再生の方向づけ」
「【読書余滴】野口悠紀雄の、中国抜きのTPPは輸出産業にも問題」
↓クリック、プリーズ。↓


(1)関税の撤廃・・・・輸出がしやすくなる。
(2)共通のルール作り・・・・新興国での企業の活動や投資がしやすくなる。
(3)FTAAPへのステップ・・・・参加国拡大でさらに大きな経済圏へ。
(4)日本にとっての開放・・・・構造改革、競争力の強化。
TPP推進派によれば、TPPは実は通過点にすぎない。徐々に参加国を増やしてアジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)につなげるのが最終ゴールだ。
FTAAPは、APEC21ヵ国・地域の貿易自由化をめざす。実現すれば、世界のGDPの56%を占める経済圏となる。TPPで作ったルールはFTAAPでもベースとなる可能性が高い。だから今のうちに参加しておくべし、というのが推進派の意見だ。
FTAAPへの道筋として次の4つを同時並行で進めていくのが日本の戦略とされる。
(a)TPP
(b)ASEAN+3(日中韓)
(c)ASEAN+6(日中韓印豪、ニュージーランド)
(d)日中韓FTA
米国のTPP推進には、中国主導の(b)や日本主導の(c)が実現し、世界の成長センターであるアジアから締め出される事態を恐れた、という側面がある。また、存在感を示す中国をあわよくば(a)で作った自国に有利なルールに引きこみ、ダメなら対抗する、という狙いもある。
日本は、中国に対しては(a)参加を、米国に対しては(b)、(c)、(d)をちらつかせて有利な条件を得ようとする。現在交渉が進むのは(a)だけで、他はまだ研究段階、という現実もある。
(a)が刺激となって(d)が動き出したが、日本の目論みどおりにいく保証はない。
いいとこどりを実現するには高度な戦略と交渉手腕が必要だ。本来、将来の日本がどうあるべきかという国家ビジョンがあって、そのための通商戦略があり、その上で(a)以下がある。
ところが、政府は国家ビジョンを示していない。国民が混乱する所以だ。
以上、記事「TPPの最大の利点は「輸出増」ではない」および「TPPはただの通過点 本当の問題は“その先”」(「週刊ダイヤモンド」2012年4月14日号)に拠る。
【参考】「【TPP】米国製薬会社の要求 ~日本医療制度の営利化~」
「【TPP】蚕食される医療保険制度 ~審査業務という盲点~」
「【経済】TPP>米韓FTAの「毒素条項」 ~情報を隠す政府~」
「【経済】TPPは寿命を縮める ~医療と食の安全~」
「【経済】中野剛志の、経産省は「経済安全保障省」たるべし ~TPP~」
「【経済】中野剛志『TPP亡国論』」
「【震災】原発>TPP亡者たちよ、今の日本に必要なのは放射能対策だ」
「【経済】TPPをめぐる構図は「輸出産業」対「広い分野の損失」」
「【経済】TPPで崩壊するのは製造業 ~政府の情報隠蔽~」
「【経済】中国がTPPに参加しない理由 ~ISD条項~」
「【社会保障】TPP参加で確実に生じる医療格差」
「【社会保障】「貧困大国アメリカ」の医療 ~自己破産原因の5割強が医療費~」
「【経済】TPPとウォール街デモとの関係 ~『貧困大国アメリカ』の著者は語る~」
「【経済】TPP賛成論vs.反対論 ~恐るべきISD条項~」
「【経済】米国は一方的に要求 ~TPP/FTA~」
「【経済】伊東光晴の、日本の選択 ~TPP批判~」
「【経済】伊東光晴の、TPP参加論批判」
「【経済】TPPはいまや時代遅れの輸出促進策 ~中国の動き方~」
「【震災】復興利権を狙う米国」
「【読書余滴】谷口誠の、米国のTPP戦略 ~その対抗策としての「東アジア共同体」構築~」
「【読書余滴】野口悠紀雄の、日本経済再生の方向づけ」
「【読書余滴】野口悠紀雄の、中国抜きのTPPは輸出産業にも問題」
↓クリック、プリーズ。↓



