2010/12/5upわかる目次 |
映画・オーケストラ! |
地元唯一の名画座で二度目を観た。
今年観た74本中映画館で二度観たのは二本だけだ。
一本目が『ヒックとドラゴン』
二本目がこの『オーケストラ!』
映画素人の僕は、フランス映画はいつも後半が曖昧でぼんやりとわからないまま終わってしまうと思っていた。
これは違う。
前半のユーモアが実に効いている。
日本人は結局ユーモアは理解できても描けないのだと納得する。
後半の深刻で真面目な(シリアスともいうらしい)展開に無理がない。
前半のユーモアが後半に効くのだ。
(ユーモアは諧謔と訳されるがしっくりこない。
概念が存在しないから翻訳することもできないのだ)
一貫して女性バイオリニストの魅力に圧倒され続ける。
メラニー・ロランという。
とにかく美しい。
僕が出逢った最も知的で魅力的な日本女性の次にきれいだ。
三番目が北川景子だ。
メラニー・ロランの瞳の色、整った鼻筋、真っ白な胸元、バランスの取れたスタイル、毅然とした立ち居振る舞いのためだけでも観る価値がある。
タランティーノ『イングロリアス・バスターズ』に出ていたと言われると、ああ、あの美人かとぼんやり思い出すが『オーケストラ!』にはかなわない。
僕はピアノの音が好きでフジ子・ヘミングのコンサートでは口を開けたまま身体ががたたが震えた。
バイオリンは苦手だったが、この映画のおかげでやっとわかった。
チャイコフスキー・バイオリン協奏曲。
映画の最後、管弦楽団(オーケストラともいうらしい)の演奏で訳がわからないが涙がたらりたらりと流れているのに気づく。
中島らもは晩年近く「文章は音楽にかなわない」と書いていたがこういうことかと思う。
できれば腹にズンズン響く音響効果のよい映画館で観たかった。
なぜかでかい映画館は血のドバドバ流れる映画や、爆弾・ミサイルがドカドカ爆発する音に無駄に音響施設を使う。