ネーミングライツとは、施設の運用資金などのために資金調達の手法のひとつです。
仙台市もこの夏、3施設に対し企業との契約を行ない、
スポンサー企業に対し施設の命名権を付与しました。
そのうちの2施設のスポンサーと契約料金は以下の通りです。
●仙台市青年文化センター (年間1000万円 5年契約)
新名称 ⇒ 日立システムズホール仙台
●仙台市科学館 (年間100万円 3年契約)
新名称 ⇒ スリーエム仙台市科学館
科学館の方は、スリーエムが付いただけで仙台市科学館という名称は
そのまま残っているので何ら違和感は感じません。
一方、青年文化センターは「日立システムズホール仙台」と
まるで異なる名称になっています。
今までも宮城県がネーミングライツを行なってきた
宮城県民会館やグランディ21など、
新しい名称はサッパリ覚えられない私にとって、
またやっかいなことが増えたな~と思います。
市報などでもイベント会場が新しい会場名で示されていると
それがどこなのかまるでわからないことが多々あります。
これから市民に親しまれていくように努力すると
仙台市の担当者の方は語っていますが、
例えばどの段階で “親しまれた” と判断するのか?
たまにしか使わない施設が何年か経って新しい名称になっていたら
(旧名称 〇〇)の記載もなくなり、
きっとどこのことかわからなくなるだろうなぁ・・と予測がつきます。
青年文化センターは国際音楽祭など県外のお客様もいらっしゃる施設です。
その名称が全く別物になっていたら、県外からいらっしゃる方も
戸惑われるのではないかと思います。
この市民感覚に乏しく、市民の声も聴かず、
スポンサーと担当者だけで決めてしまう仕組みそのものも
見直すべきではないかと思います。
神奈川県の由比ヶ浜のネーミングライツは
地元企業のはとサブレーの会社が交渉権を得て、
名称は市民から公募すると仰っていましたし、
由比ヶ浜を守りたいという想いから応募したとも伺っています。
今回の件で、企業のイメージが問われることも実感致しました。
住友スリーエムは、仙台市科学館をそのまま残して
スリーエムだけを付け加えました。
仙台市科学館の名称をそのまま残してくれたんだぁ~!と
好印象を抱きました。
一方株式会社日立システムズに関しては、
市民のことや県外から施設を利用される方のことなど
あまり考えてくれない企業なのかも・・・と
今までは全く存じ上げない企業でしたが
私の中では間違いなくイメージダウンに繋がりました。
このように思う人が大勢居たとしたら、
この企業は本来企業イメージを上げよう、知名度をあげるために
年間1000万も広告費を支払うわけですから
それだけかけて企業イメージをダウンさせることになりかねません。
だとしたら、とてももったいないことだと思います。
企業にとっても、行政にとっても、市民にとっても
良い方法があったのではないかと思います。
ネーミングが、「日立システムズ青年文化センター」であったならば
何の違和感も反感もイメージダウンもなく
受け入れることができたかも知れないのに・・・・
今回の青年部化センターの名称に関しては
とても残念でなりません。
せめて、よく利用する一般市民の声を聴くとか、投票させるとか、
市民不在ではなく、市民と一緒に決めて欲しかったと思います。