インテリジェント ワークス

子供達との泣き笑い

素振りの理由

2017年09月29日 | 歴史

1日、素振りを300本。
現在、全塾生に与えられた課題です。

え~っ!?
300本も?
驚くお母さん達もいるかと思いますが、素振り300本なんて野球選手が朝に歯を磨くようなものなんです。
時間にすれば30分もかからず振りきれる数字ですね。



ちょうど面白い写真があったので、主将をモデルにしてスイングを解説しましょう。

楽に構える主将。
バットさえ振らなければ、とっても打ちそうに見えますね。


ボールに対してスイング開始。

もう既に、この段階で打てない奴だと言う事が露呈します。
何故それが解るかと言うと、ピッチャー寄りの足の爪先が前を向いて腰が開きかかっているでしょ。

実は身体が正面を向くと、バットをボールに当て易いんです。
理由はボールが身体の横を通過する50cmくらいの間を、ずっとボールを見ていられるからなんですね。
だから送りバントなどで正確にボールをバットに当てたい時は、バッターはピッチャーに対して正面を向くんですよ。

では、何故それがいけないかと言うと、身体がピッチャーに対して正面を向くと言う事は、既に腰が開いていると言う事なんです。
ボールを遠くへ飛ばすには、腕の力、足の力、何よりも腰の回転が重要です。
なのに腰が既に半分以上回っていれば、残す腰の回転は少ししかありません。


そしてバットヘッドが下がります。

バットヘッドとはバットの先端のこと。
バッターは遠くへ飛ばそうとすると、どうしてもバットを下から上に振ってしまいます。
これはバッター心理と言う物で、悪い事だと解っていてもやってしまうんですね。

バットヘッドが下がると、ミートポイントは極端に狭くなります。
ただでさえまともにミートできない奴が、ミートポイントが狭くなったら当たる筈がありませんわな。


インパクトポイント。

珍しくボールを捕まえようとしていますが、身体から50cmほど前にミートポイントを置いていますね。
そこにミートポイントがあったら、当然身体は正面を向いて腰が開いている事になります。

打ってもせいぜい外野の頭くらいまでしか飛びませんね。


何回打ってもミートポイントが前過ぎるので、遠くへ飛ばす事ができません。

もっと遠くへ飛ばしたいと、身体の至る所に力が入り、結果としてどんどん腰が開いて行きます。


ジャストミート♪

けれども、この段階で腰は3分の2程が回っちゃってるでしょ。
腰で運べるのは残す所3分の1程度。

これを直す為には素振りで、ミートポイントを身体の近くまで持って来るしかないのです。

今年、甲子園を沸かせた広陵高校の中村くんは、ミートポイントが身体のほぼ真横です。
ある意味、早稲田の清宮くんよりバッターとしては完成してますよ。
プロに入ってから、どちらが活躍するか注目してみて下さい。


素振りを怠ると、こんなスイングになります。

回転軸がブレブレで、身体が前に突っ込んで行きますね。
こんなのは毎日バットを振ってれば、すぐに直る筈なのです。


ミートポイントは大分近くなっていますが、当たらなければ意味がありません。

回転軸がしっかりとして、所謂バッターの壁が出来ているので、スイング自体は綺麗なんですけどね。


絶対にやってはいけないのが、バットから片手を離す事。

これは君達が本当に上手くなってからにしましょう。
今の段階でこれをやると、体幹そのものが誤解を始めます。


だから、もっとバットを振りなさいっ!


どこ見てるんじゃっ!