士幌線 バス代行区間の乗車券 (~その2)

前回に引き続き、士幌線のバス代行区間の乗車券の話題です。

 

   

 

糠平駅を出発したバスは、途中の幌加駅を経て、終着の十勝三股駅に到着します。代行バスは駅前の待合所に停車し、ここで折り返しとなります。

 

   

 

待合所から見た、十勝三股駅の駅舎です。出入口と窓は板で塞がれ、もう絶対に再開されないようなオーラが漂ってきます。

 

   

 

ホームの駅名票も朽ち果て、今にも倒れてしまいそうです。

訪問したのが昭和61年9月でしたので、運転休止から実に8年が経過しており、逆によくここまで残っていたものだと感心させられます。

 

さて、ここまで来ると、帰りの乗車券が気になります。

 

帰りの乗車券は、代行バスの中でドライバーさんが発売していました。

 

   

   

 

十勝三股駅⇔糠平駅間用の乗車券です。

簡易委託用の相互式券で、発行箇所名は「〇簡 十勝三股駅」となっています。券はドライバーさんが輪ゴムで束ねて保管しており、バスのダッシュボードに固定されていたダッチングマシーンで日付を印字して発売されます。

 

この券は、発行箇所は十勝三股駅となっていますが、通用区間の表示は「〇ム 糠平⇔十勝三股」と、なぜか糠平駅が左側に表記されているところが特徴です。

他に幌加駅ゆきの券も大人用と小児用が設備されており、その他の区間の券はなく、糠平以南へ行く旅客は車内もしくは着駅で精算をしていました。

 

士幌線は、他にも勾配の途中にある黒石平駅(無人駅)という駅があり、上り勾配となる上り列車は同駅を通過して隣にある電力前仮乗降場に停車し、下り列車は仮乗降場を通過して黒石平駅に停車するという特殊な運転もしており、趣味的には大変興味深い路線でした。

しかし、営業係数が1,497と芳しくなく、特に糠平駅~十勝三股駅間だけを見ると22,500という数値となっており、JR化を迎える直前の昭和62年3月25日に廃止されてしまっています。

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