天竜峡駅発行 千代・金野ゆき片道乗車券

昭和56年8月に発行された、天竜峡駅から千代駅および金野駅ゆきの片道乗車券です。



   



名古屋印刷場調製のB型一般式券となっています。



110円という運賃は当時の最短区間であり、通常自動券売機で発行されたものは金額式となっておりますが、名古屋印刷場管内では、硬券乗車券については金額式の他に一般式は両矢印式などの券が存在していました。


これはおそらく、車掌が集札する際に有効区間を認知しやすくするためと思われます。



   



こちらは昭和57年8月に中部天竜駅で発行された、出馬駅もしくは城西駅までの両矢印式片道乗車券です。


やはり名古屋印刷場調製のB型券です。



両矢印式券の場合、発駅の両方に存在する同じ運賃帯の着駅を1枚にまとめることが可能であり、各々1口座づつ設備しなければならない一般式券に比べ、半分にまとめられるので経済的です。



国鉄末期の昭和62年1月に、再度天竜峡駅を訪問いたしました。



   



このときには初乗り区間が110円から140円に変更されており、当然ながら硬券乗車券も改版されていました。


ところが、このときには金野ゆきの乗車券は両矢印式に様式変更となっていて、反対側の川路駅と1枚に纏められています。また、印刷場も名古屋印刷場から東京印刷場調製のものに変更されており、中部天竜駅発行のものと比べると、同じ様式でもかなり雰囲気が異なっています。


東京印刷場調製の両矢印式券は、もともと東京印刷場で印刷されていた様式が別に存在しますが、この様式は昭和61年ごろになってから名古屋印刷場管内の一部の駅分を東京印刷場担当に移管した際、名古屋印刷場のレイアウトに則って作成された新様式であり、JR化までの数年間だけに、名古屋印刷場管内の静岡・長野県内の駅に見られた珍様式です。
両矢印式券については、飯田線の他、二俣線の駅でも設備されていたのを確認しています。

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