信濃四ツ谷駅発行 東京都区内ゆき乗車券

昭和31年4月に信濃四ツ谷駅で発行された、東京都区内ゆき乗車券です。




   




信濃四ツ谷駅は現在の大糸線白馬駅で、昭和7年に大糸南線の駅として誕生し、昭和43年に白馬駅に改称されました。
また、大糸線は当時南線(松本駅~中土駅間)と北線(小滝駅~糸魚川駅間)に分断されており、現在のように1つの路線になったのは、この券が発券された翌年の昭和32年のことでした。




券は3等級制時代のものですので、長距離券ではありますが赤色地紋となっています。A型の一般式券で、国鉄末期のものとは活字の雰囲気が異なっておりますが、新潟印刷場で調製されたものと思われます。



まだ旧活字体からの変換期のもので、「通」や「途」の「しんにょう」に点が2つあったり、「発」の字が「發」、「売」の字が「賣」、「区」の字が「區」、「効」の字が「效」となっていたりしています。




注目すべきところは経由の表記であり、「諏訪経由」となっている点です。


恐らく下諏訪駅もしくは上諏訪駅を纏めて表記したものと思われ、それに異論はありません。しかし、諏訪駅は長崎県の国鉄大村線に存在し、また鹿児島県の国鉄大隅線にも実際に存在した駅であり、さらには、この券が発行された年の9月までは、近畿日本鉄道(近鉄)名古屋線の近鉄四日市駅(改称時は近畿日本四日市駅)が諏訪駅という駅でしたので、乗車券に表示されるものとしては少々問題のある表記方法となっていることが否めません。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )