津軽鉄道の通券

きっぷではありませんが、数年前の日比谷のイベントで入手した、津軽鉄道の通券です。



        

        

 

通券とは通票閉塞式とされている区間において、同一方向に続行列車を発車させる場合に、通票の代用として先発する列車に持たせる書類です。

前者が区間および発行駅を記入するもので、後者が区間と発行駅が予め印刷されているものです。

それぞれ平成81129日と平成1079日に使用されており、後者の方が後に使用されております。津軽鉄道ブースの係員さんに尋ねたところ、区間が印刷されている方が新しい様式だということでした。



通票閉塞式の区間では、通票(タブレット)がその区間を走行するための通行手形の代わりになり、通票を持っている列車しかその区間を走行することはできません。しかし、同じ方向に2本、3本と続行列車を走らせる必要がある場合、最初の列車が通票を持って行ってしまっては、次の列車に必要な通票がありません(通票はその区間に1個しか存在しないからです)ので走行することができません。

通券はそのような時に使用される重要な書類になります。

 


票券閉塞を行うのに必要なものは、1つの閉塞区間に1つの通票、区間の両端駅にそれぞれ1つの通券箱(合計2つ)と通券、閉塞する駅間に専用の電話線1本、そして閉塞票を用意します。閉塞票は、閉塞したときは表面、閉塞を解除した時には裏面を向けて閉塞の状態を記録します。列車閉塞区間にあり、もしくは、列車閉塞区間になしと記載します。

 


通券は通券箱という専用の箱に収められており、続行運転をする際、駅長(運転取扱者)はまず、閉塞することを次の駅に連絡して、次に通券箱に通票(タブレットの玉)を収めて鍵を開け、その箱から通券を取り出します。通券には運転区間・運転年月日・運転列車番号・通票所持列車番号・赤色で通票の穴の形を記入するようになっており、駅長(運転取扱者)は記載事項を漏れなく記入のうえ、捺印をします。

 

発行された通券は、その日のその列車にしか使用することしか出来ません。また、使用した通券は、他の列車に使用することはできません。

 


通券を持った列車が到着すると受け取った駅の駅長(運転取扱者)は通券に×印を付けた上で捺印して無効にして保管し、通券を発行した駅に電話をして閉塞を解除します。その知らせを受けた発行駅は、最後の列車に通票を持たせて発車の合図をします。

 

 

票券はきっぷではありませんが、列車を安全運行させるためのものとして大変重要なものでありますが、通票閉塞式で運転される区間の消滅と共に消えていく、絶滅危惧種的なものです。今回、大変珍しいものですので、こちらも「古紙」ということで御紹介させていただきました。

 

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