鉄道省 天王寺駅発行 工地紋乗車券

昭和23年(?)4月に天王寺駅で発行された、森ノ宮ゆきの片道乗車券です。


   


まだ終戦後の物資が乏しい時代の券で、わら半紙のようなペラペラの券紙の千切り券となっています。


注目すべきは地紋であり、桃色の工地紋となっています。

工地紋は戦時中の混乱期の昭和19年に広島鉄道局で考案された印刷工程を簡素化するための省略地紋で、広島局の他に大鉄局・門鉄局・名鉄局で使用され、戦後になって仙鉄局でも使用されていたようです。

工は鉄道省のマークを組み合わせて地紋としたものであり、鉄道省以前の国有鉄道の所管官庁が工部省であったことを由来としています。

    (鉄道省のマーク)

この「工」のマークは現在でも鉄道用地の境界線に建てられている杭に刻印されており、その姿を見ることができます。

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