東京駅発行 東京から1,000kmまでの急行券

昭和41年6月に発行された、東京から1,000kmまでの普通急行券です。


   


青色国鉄地紋のA型券で、東京印刷場で調製されたものです。

1,000kmというとかなり長距離の急行券なのでさほど需要が多い口座ではないと思われ、中小規模の駅では発駅記入式もしくは補充券による発券が殆どであったと推測されますが、長距離列車が多く発着する東京駅では相当の需要が見込まれますので、完全常備の口座が設備されていました。

当時の普通急行券の距離帯は、100kmまで・200kmまで・400kmまで・1,000kmまで・1,001km以上の5つの距離帯に別れていましたが、モノクラス化が実施された昭和44年5月には、前年10月の準急行制度廃止による運転区間の比較的短い普通急行列車の登場によって100kmまで・200kmまで・201km以上の3つに縮小され、さらには、昭和57年4月に50kmまでの距離帯が新設されます。


東京から1,000kmと言うと、最短区間は営業キロ402.3kmの穂積駅となり、最長区間は営業キロ994.1kmの戸田駅となります。

参考までに、当時東京駅から運転されていた長距離急行列車である急行桜島号は東京駅を0845に出発し、穂積以遠の最初の停車駅である大津駅に1723、戸田の手前の最後の停車駅である徳山駅は翌0229の到着となっており、最短でも所要8時間半、最長では17時間半の強行軍です。

最新の10系軽量客車が使用されていたとはいえ、現在よりもシートピッチの狭いボックスシートでの旅行は想像を絶する厳しさであったものと想像できます。

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