長野電鉄 発駅着席券

昭和47年3月に湯田中駅で発行された発駅着席券です。



   


色が薄くて分かりづらいですが、桃色長野電鉄自社地紋のB型券です。


発駅着席券は、指定席の設備の無い優等列車に、座席争奪戦の激しさを和らげるために設定された「優先着席権」です。

湯田中駅18:09発の列車とは上野から長野電鉄湯田中までの直通運転をしていた急行「志賀」で、屋代までは長野電鉄屋代線(当時は河東線)を通り抜け、屋代駅からは急行「信州」に併結されて上野に至る列車でした。
券に12号車とある通り、列車は169系電車12両編成のうちの10~12号車が急行「志賀」で、クモハ169・モハ168・クハ169の順に組成されていました。



   


裏面です。

発駅着席券は購入した旅客に対して必ず列車に着席できることを保証するものですが、発車15分までに列車に乗らなければその後の保証はされないというものでした。要は、発車15分前までに発駅着席券を所持した旅客を対象として1回目の改札をし、以後一般の旅客を改札するという方法をとっていました。



   


翌48年には発駅着席券から乗車整理券という名前に変わったようですが、改札の方法は発駅着席券時代と全く変わらなかったようです。



    (しなの鉄道169系電車)



この発駅着席券の発行された2日後の3月15日には上野~金沢間を走る489系電車による特急白山号がデビューし、信越本線の高速化が加速されることになります。

当時急行志賀として運転されていた169系電車は現在でもしなの鉄道で活躍していますが、昭和44年の登場以来44年が経過した車両は老朽化が進み、4月末の運転を最後に引退することとなっています。

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