峠駅発行 120円区間ゆき矢印式乗車券

昭和49年1月に奥羽本線峠駅で発行された、120円区間ゆきの矢印式乗車券です。


   


青色こくてつ地紋のB型矢印式券で、仙台印刷場で調製されたものです。当時の仙台印刷場ではモノクラス化後も近距離乗車券が青色地紋で調製されていた時期がありましたため、他の印刷場であれば桃色地紋であるべきですがこの券は青色地紋となっています。

着駅である福島駅は大阪環状線にも同名の駅がありますので、「(北)福島」と線名略号が冠されており、略号だけが明朝体となっています。

もうひとつの着駅である糠ノ目(ぬかのめ)駅は現在の高畠駅で、平成3年に改称されています。


   


裏面です。

仙台印刷場では新潟や大阪のD型券同様に5ケタのナンバーリングが採用されていましたので、国鉄時代の硬券にあまり縁のない若いコレクター諸氏には少々異様に感じられるかも知れません。


峠駅と言えばスイッチバックとスノーシェルター、峠の力餅が有名で、列車が駅に停車すると、スイッチバックにより若干長めに取られた停車時間を利用した峠の力餅の立売りの声が響いた駅でしたが、国鉄末期の昭和59年に無人化され、また、山形新幹線の開通によってスイッチバックも無くなってしまい、同駅はかなりの変貌を遂げています。
しかし、現在でも普通列車が同駅に停車すると、峠の力餅の立売りは続けられており、山奥の小さな無人駅には「昭和」が健在です。


それにしても、「峠」という字は「山」を登り(上り)きって今度は降りる(下る)という感じが良く表されていて、すごくシンプルでいい字ですね。

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