名古屋鉄道 新名古屋から豊橋・本長篠接続 鳳来寺ゆき連絡乗車券

昭和43年8月に名古屋鉄道新名古屋(現・名鉄名古屋)駅で発行された、豊橋・長篠接続の、豊橋鉄道田口線鳳来寺ゆきの連絡片道乗車券です。


   


灰色名古屋鉄道自社旧地紋のA型一般式大人・小児用券で、愛知印刷で調製されたものです。

乗車経路は、新名古屋~(名鉄名古屋本線)~豊橋~(国鉄飯田線)~本長篠~(豊橋鉄道田口線)~鳳来寺という3社連絡になっています。
着駅の鳳来寺駅は、鳳来寺山の山頂にある真言宗五智教団の寺である鳳来寺の玄関口となる駅で、この券は鳳来寺への参拝客のために設備されていたものと思われます。


豊橋鉄道田口線は飯田線本長篠駅から分岐する、三河田口までの22.6kmの区間で、昭和初期に田口鉄道として開業しましたが、昭和31年に豊橋鉄道に合併吸収されて田口線となっています。
豊橋鉄道となる前の田口線(田口鉄道)は、飯田線の前身であった豊川鉄道および鳳来寺鉄道と相互乗り入れをしており、豊川鉄道と鳳来寺鉄道が国有化された以後もその運転体系が継続された関係で、昭和20年代後半までの間、運転管理は国鉄によって行われていたという歴史があります。

国鉄の管理が離れて以後は自社による運転管理が行われていましたが、輸送量の減少が続く時期の昭和40年に台風で甚大な被害を受け部分休止となり、既に廃止が決まっていた営業末期、この券が発行された4日後の昭和43年8月29日に三河海老~清崎間も水害で休止され、路線の約半分が休止のまま、同年9月1日に本長篠~三河田口間の全線が廃止されてしまっています。

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